スト決行中
2009/03/13 18:03 〜 2009/03/14 24:00
2009年3月14日のダイヤ改正で、特急「富士」「はやぶさ」がついに廃止されます。
毎年のダイヤ改正で櫛の歯が欠けるように本数を減らした九州特急の最後の砦でしたが、対九州の速達性では博多まででさえ空路に比べるべくもなく、また安さでは高速バスを持ち出さずとも最終の新幹線と安宿の組み合わせに対してすら勝負にならず、いかにも中途半端な存在であった事は否定しません。
しかしながら性格と条件を少々異にするとは言え、対山陰の「出雲」と対四国の「瀬戸」が電車化し時勢に沿ったサービス設定により営業面に課題は残したものの一定の成果を挙げたことを想えば、なお活動の余地は大きく残されていたものと考えられます。他の交通機関の最終より遅く出発し始発より先に到着するのが夜行列車の最大の存在意義でありながら、その条件を完璧に満たす急行「銀河」がやはり需要の急減に勝てず姿を消したのも、また昭和中期のまま足踏みしていたサービスレベルによるところが大でした。
「富士」「はやぶさ」も大同小異であり、昭和末期に導入されたロビーカーはおろか半日以上を車内で過ごす乗客には必要不可欠の供食設備、食堂車も自己否定により放擲してしまい、申し訳程度の車内販売のみに妥協した現状では、悪循環が悪循環を生むだけであったろうことは想像に難くありません。
しかしながら責められるべきは国鉄=JRの無為無策のみに非ず、長所を見ず徒に夜行列車の短所ばかりをあげつらい、良くて拱手傍観してきた利用者にもまた非があります。
夕暮れの中を整然と威厳を持って渡る寝台特急群は、人格形成期にそれ自体が目標であり救済でありました。長じて自分の意思と稼ぎで乗車できるようになった頃までには既に落日を隠しようもなくなっていましたが、なお往時の格式は保っており、乗る事自体を目的とするに足るだけの威厳を備えていました。
従来型の寝台列車はなお若干の本数を残しますが、それらはわが国の表通りである太平洋ベルト地帯を通うものではなく、語弊を恐れずに言えば列車の格を一段落とすものであります。少なくとも私個人にとって東海道を全線通す優等列車は別格であり、これを失うことは信仰の否定にほぼ等しいと考えます。
速ければ良い、安ければ良い、それは確かに正論ではありますが、全てを勝ち組と負け組に二分し中途半端な存在を認めず、価値なきものを安易に圧殺する世の行く末は、いかようなものでありましょうか。これを対岸の火と見過ごすならば、重大な過ちであると言わざるを得ません。
かかる結果を招来したJR各社及び世間一般に抗議の意を表し、当サーバでは最終の「富士」「はやぶさ」が東京駅を出発する3月13日18時03分より14日終日の間、webサービスを停止します。
お越しの皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、停止の間しばし、この事についてご一緒にお考えいただければ幸いです。
Tsubame Network 管理人
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