Richard 旅の記録 内モンゴル(中華人民共和国)編 2000年8月


我が家は,毎年,比較的長期の旅行に行きます。去年は四国,一昨年は北海道でキャンプ生活を送りました。しかし,上の子,龍馬も来年は中学生。きっと家族旅行なんてできなくなるだろうと思い,今年は4年ぶりに海外に行くことにしました。

行き先として選んだのは,中国です。ちょうど,今,友達のひとりが北京の日本人学校に派遣されているので,そこに行くことにしたのです。っで,安く中国にいけるツアーはないかなと思ってパンフレットを見ていて,目に入ったのが,内モンゴル草原満喫の旅というやつです。

大草原…。満天の星空。遊牧民の弾く馬頭琴の音色。そんなことを思い浮かべると,北京の友達のことは二の次になってしまい,内モンゴルに行くことにしました。


今回のコースは,北京で飛行機を乗り換え,内モンゴルの中心都市,フフホトで一泊。フフホトから4時間ほどバスに乗り,内モンゴルの草原へ。草原では,パオ(ゲル)という遊牧民のテントに2泊。フフホトに戻って北京まで夜行寝台列車で移動。北京観光のあと北京で一泊というスケジュールでした。

中国のお金は「元」。一元が14〜15円くらいです。物価は,物の種類によってまちまちなので一概に安いとは言えませんが,たとえばペットボトルのミネラルウォーターが,レストランなどで5元でした。ビールも同じ値段です。

スーパーや露天でも,たくさんの商品が並んでいて,思ったよりも物資が豊富な印象を受けました。しかし,都市部から少し離れると,様子はずいぶん違ってきます。


左の写真は,フフホトから草原に向かう道から写した写真です。このような集落がいくつかありました。壁は土を固めて造られています。集落の周りは,小高い丘が続いていて,畑作や遊牧が行われています。

ここで生活する人たちは,おそらく物質的には私たちの国ほど恵まれてはいないでしょう。広大な国土の上に,交通の便も決して良くはありません。北京に行ったことのない人だってたくさんいるそうです。

ここからは想像でしかないのですが,私たちが持つ欲望,つまり「あれがほしい」「こんなことがしたい」というものと,ここで暮らす人たちの欲望というのは,おそらくかなりの違いがあるのではないかと思うのです。当然,そこから生まれる不満というものにも隔たりがあるのではないかと思います。(続く)


今回の旅行でやってみたかったことはいろいろあるんですが,そのうちの一つが「パオ(モンゴルではゲル)」に寝るということです。もともと我が家はキャンプがすきなんですが,このパオというのは遊牧民であるモンゴル民族のテントのようなものです。

こう見えても,中は広くて快適です。もちろん,ホテルなどにくらべると不便ではありますが,トイレやシャワーも別棟にちゃんと整備されていました。本当は,もっとワイルドな感じを期待していたんですけど,かなり観光客のために設備が整えられていて,その点はちょっと残念。(続く)


どこまでも続く広い草原。遮るもののない青い空。そんな中をとことこと馬に乗って旅をする…。モンゴルの草原をイメージすると,ぼくにはそんな風景が浮かんでくるのです。 今回は,わずか3時間ほどでしたが,そんな夢をみることができました。

 みなさんは「スーホーの白い馬」というお話を読んだことがありますか?私は小学校2年生のとき,国語の教科書に載っていたこのお話を読み,モンゴルの草原に憧れるようになったのです。もちろん馬頭琴という楽器の演奏も今回聞かせていただきました。(続く)


 初めて聞く馬頭琴の音色はとても素敵でした。どこか懐かしく物悲しいような旋律。思わず引き込まれてしまう演奏者の真剣なまなざしとテクニック。

 前回書いた「スーホーの白い馬」は,馬頭琴誕生にまつわる言い伝えです。スーホーが大切に育てた白い馬は横暴な王様に奪われてしまいますが,体中に矢を受けながらもスーホーのもとに帰って来ます。息絶えた白い馬は夢の中でスーホーに言うのです。自分の骨や尾で楽器を作ってくれと…。馬頭琴の音色はまさにそんな音なのです。(続く)


 中国に旅行に行ったと言うと,たいてい質問されるのが「トイレ」と「食べ物」のことです。フィリピンで暮らしたいたという人も,同じようなことを聞かれるでしょ?

 中国といっても,漢民族とモンゴル民族は文化的にも違いがあり,それは食事にも表れます。モンゴル民族にとっては,羊肉がやはり重要な蛋白源。写真は羊の丸焼きです。やわらかくておいしかったですよ。羊肉の串焼きやしゃぶしゃぶなども食べました。

 とっても驚いたのは,モンゴル民族のガイドさん(宝音さんという)は中学生になるまで野菜を食べたことがなかったということです。ビタミン源は牛乳だというのです。それで大丈夫なのか?と聞くと,赤ちゃんは野菜なんか食べないでしょう。モンゴル人の骨は,世界一なんです,とのことでした。


 食べ物のことについてもう少し…。写真はモンゴル料理ではなく,中華料理です。自分たちだけの旅行だと,けちけちしてこんなことは絶対にないのですが,今回はツアーに参加ということで,毎回毎回,その街の中でも一流のレストランで贅沢な食事をしました。

 食べきれないほどのご馳走という表現がありますが,本当に食べきれないほどの量なのです。うちの家族は,結構大食漢だし,「残すのは悪いことだ!」という躾をしてきているのでかなり食べますが,隣のテーブルのおばあちゃんたちなんか,まぁ半分も食べられないでしょう。

 もともと中華民族は人をもてなす習慣として,たくさんの料理を出し,客側も残すことで,十分な接待をしていただいたという気持ちを表す文化だそうです。それを批判するつもりはありませんが,どうも落ち着かない気分でした。

 この国は,けっして貧しい国ではありません。けれども単純に所得額で言えば貧富の差が大きく,こんなにたくさんの食べ残しを平気で捨てるようなことをしていていいはずはないのです。ウエイトレスさんは,もくもくと残りを残飯として処理していましたが,いったいどう考えているのか聞いてみたいと思いました。  あっ,とてもおいしかったんですよ!


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