2003/12/28-2004/1/3


Win坊的感想


 シドニーオリンピック・万国博・ラグビーワールドカップなどの行事が続き、オーストラリアはバブル絶頂期にあります。バブルを経験した日本人から見ると、その様子がよく見えてきます。

 リゾート施設だけでなく、マンションや住宅の価格が急騰し、物価もかなり高いです。オーストラリア$が高いせいで、外国人にとっては特に高く感じました。シドニー水族館は、入場料24$(1A$=87円:日本円で2100円)でも家族連れなどで長蛇の列でした。交通費・食費なども高く、15分で1週する市内のモノレールも4$(350円)です。
 市街地にある、築150年の「テラスハウス」という間口二間(にけん)足らずの中古住宅が日本円で1億円もするそうです。水辺の新築マンションは、2億から4億円もざらだそうです。

 実際、外国で物価が高いと感じたのは、今回のオーストラリアが初めてでした。90年代のバブル期の日本と同じかそれ以上です。昔から労働組合の強い国で、ストライキが多いので有名だったそうです。その結果、人件費が高くなり、条件の良い都市に人口が集中し、住宅費が高騰している中、イベントや観光で、更に人を集中させる・・かつての日本と同じですね。

 12月31日の夕食は、「レストランを予約するには一人300A$以上かかる」と言われ、最悪はコンビニでサンドイッチでも調達しようと、シドニーの町を散策しました。そこで、市内の中心部で見つけた店が、「御膳飯店」という中国レストランでした。

 

 1人22A$のコース料理は、6名以上とありましたが、5人でもOKということなので、注文することにしました。全部で6品の料理は、味も量も大満足でした。前日のゴールドコーストで入ったシーフードレストランと比べると、1/2の料金(時間も)です。オーストラリアでは、どこでも料理の出てくるまでの待ち時間が長く、あきらめていましたが、ここではスピードも日本人の基準に合っています。シドニーに行ったら是非探してみて下さい。Georgeストリートにあります。
 ただ、日本人的基準というものも、考え直させられました。土産物店でも、店員は声をかけてきません。「商売熱心」という感覚は殆どありません。皆クールに働いています。元日の早朝に観光バスで市内のホテルを回った時、車中から見えたのは、昨夜のカウントダウン花火の群衆が残したごみを、揃いのジャンパーを着た大勢の市の職員が清掃している姿でした。午後に市内に戻ったときには、どこにも昨夜のごみは残っていませんでした。人件費の高い国でも、元旦の町の清掃に安い労働力を使おう、という発想は無いのです。これが、この町の美しさと、治安の良さの元になっているのでしょう。看板ひとつ無い、整然とした町に、観光客が溢れていました。

大都会のウォーターフロントは、オーストラリアの人が最も大切にしているものです。複雑に入り組んだ湾が汚れていないのは、驚きでした。日本だったら、ペットボトルやビニール袋が浮かんでいるはずですが、500人以上の乗客を運ぶフェリーがひっきりなしに往来している湾内には、ごみも臭いもありませんでした。

 これだけの美しい海には、美味しい魚が豊富にあるはずです。しかし、漁船や漁港といったものが見当たりません。広い国なので、シドニー湾で漁業をする必要も無いのかもしれません。フェリーで30分ほどのマンリービーチに行きましたが、溢れる観光客を飲み込んでもなお、余裕のある静かで落ち着いた雰囲気があります。バブルで膨らんだだけではないオーストラリア、恐るべし・・・。

 

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