チラシ画像、チラシが出来次第添付致します

9月4日
フランチェスカ  小林厚子
サマリターナ  背戸裕子
オスタージオ  矢田部一弘
ジョヴァンニ  月野 進
パオロ  所谷直生
マラテスティーノ  井上 剛
ビアンコフィオーレ  渡辺 都
ガルセンダ  沖山周子
アルティキアーラ  岸田総子
アドネッラ  安念奈津
ズマラーグディ  鈴木美恵子
トルド・ベラルデンゴ卿  三浦大喜
道化師  上田飛鳥
弓矢兵  岡村一樹
番兵  相澤圭介

9月5日
フランチェスカ  斉藤紀子
サマリターナ  背戸裕子
オスタージオ  矢田部一弘
ジョヴァンニ  飯田裕之
パオロ  大間知 覚
マラテスティーノ  大野光彦
ビアンコフィオーレ  下條広野
ガルセンダ  水谷友香
アルティキアーラ  川合ひとみ
アドネッラ  中島貴子
ズマラーグディ  細見涼子
トルド・ベラルデンゴ卿  三浦大喜
道化師  上田飛鳥
弓矢兵  設楽拓也
番兵  平岡 基

 解 説


運命に翻弄された純愛のオペラ〜
 「フランチェスカ・ダ・リミニ」

東京・六本木ヒルズの森美術館で2009年11月〜10年2月に開かれた「医学と美術展」。 様々な解剖図面や器具とともにレオナルド・ダ・ヴィンチから円山応挙、現代気鋭の アーティストまでが捉えた人体の神秘を見せる異色の企画だったが、大入りだった。 「ひと皮むけば、ただの動物」の生命体である人間の不思議は、強い感情に支配され ながら、文明を切り開いてきた歴史の積み重ねにある。科学技術の進歩を素直に信じた 20世紀の価値観はとうに崩れ去った。人知を超えた神秘、人類普遍の感情への畏怖を 人々が取り戻しつつある21世紀初頭、改めて「運命」や「純愛」を主題にした古典芸術に 触れる意味は大きい。

イタリア・トスカーナ地方の詩人、ダンテ・アリギエーリ(1265−1321年)が政変に巻き 込まれ、祖国を永久追放された1302年前後に不朽の古典文学となった「神曲」を完成 した。ダンテは古代ローマの詩人ウェルギリウスの導きで生きたまま地獄、煉獄、天国 をめぐる旅に出る。「フランチェスカ・ダ・リミニ」は「神曲」の「地獄篇」第5歌の97−142行 で語られる悲劇的な愛の顛末だ。リッカルド・ザンドナーイ(1883−1944年)が作曲、 1914年にトリノで初演されたオペラはイタリアの劇作家ガブリエーレ・ダヌンツィオ (1863−1938年)が1901年、女優エレオノーラ・ドゥーゼのために書いた戯曲を下敷き とした。

貴族どうしの政略結婚。フランチェスカが醜く冷酷な婚約者ジョヴァンニの名代として 現れた眉目秀麗な弟パオロを結婚の相手と思い込み、夢中になるところから悲劇は始まる。 パオロもジョヴァンニの妻となったフランチェスカへの愛を断ち切れない。ある日、2人で 「ランスロックとギネヴァーの愛の物語」を朗読するうち、情熱に身を任せての肉体関係に至る。 末弟マラスティーノの密告で怒り心頭に達したジョヴァンニは罠を仕掛け、熱く抱擁する2人を 殺害する。ダンテに「いまもなお愛は私を捨てません」と語る美しいフランチェスカの姿は700年 以上、世界の人々の心をとらえてきた。与謝野晶子も「爐の火燃ゆフランチェスカのこの中に ありとも見えて美しきかな」と、歌を詠んでいる。

ザンドナーイのオペラでも、第3幕の「朗読の場面」で繰り広げられるフランチェスカとパオロの 長大で情熱的な2重唱が最大の見せ場である。勘違いが真実となり、現実が命取りとなる運命 の皮肉、行き場を失った愛の悲劇にふさわしい劇的な音楽は聴き応えがある。

(いけだ・たくお=ジャーナリスト)
2010年 9月 4日()  4:00 PM 開演
      ( 3:15 PM 開場 )

  9月 5日()  2:00 PM 開演
      ( 1:15 PM 開場 )

神奈川県民ホール 大ホール (MAP↓)




総監督  永田 優美子
指 揮  岩村 力
演 出  三浦 安浩
芸術顧問  奥畑 康夫

管弦楽団  神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合 唱  首都オペラ合唱団

 慶應義塾ワグネルソサィエティー

   男声合唱団OB有志

 慶應義塾大学日本女子大学混声合唱団

   コールメロディオン有志

主 催  首都オペラ

 神奈川県民ホール

 [財団法人 神奈川芸術文化財団]
助 成  芸術文化振興基金助成事業

 [財] 三菱信託芸術文化財団

 [財] 花王芸術・科学財団

 [社] 企業メセナ協議会認定
協 力  森永製菓(株)鶴見工場

 横浜湘南ロータリークラブ茜会
後 援  神奈川県 ・ 横浜市

 神奈川県教育委員会

 葉山町 ・ 葉山町教育委員会

 朝日新聞横浜総局 ・ 神奈川新聞

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美 術  鈴木 俊朗(東宝舞台)
照 明  奥畑 康夫
衣 裳  小野寺佐恵(東京衣裳)
音 響  関口 嘉顕
舞台監督  徳山 弘穀
舞踊監督  横井   茂
演出助手  荒川はるか

 柳亭 雅幸
ヘアー・メイク  篠崎 圭子
副指揮  諸遊 耕史

 鈴木 彰久
合唱指揮  川嶋 雄介

 蛛@  暁志
コレペティトゥーア  長澤恵美子

 森   順子

 山岸真紀子

 山田いづみ
制 作  平松 八樹

 平野美保子

 永田 絵美

 大塚 樹美