チラシ画像、チラシが出来次第添付致します

8月31日
ハムレット  月野 進
オフィーリア  盛田麻央
クローディアス  佐藤泰弘
ガートルード  佐伯葉子

9月1日
ハムレット  森口賢二
オフィーリア  森 朱美
クローディアス  矢田部一弘
ガートルード  相馬百合江

8月31日、9月1日
レアティーズ  大野光彦
前王亡霊  岩本貴文
マーセラス  根岸一郎
ホレイショー  村田孝高
ポローニアス  吉原裕作
墓堀人@  白岩 貢
墓堀人A  塩沢聖一

 解 説


「ハムレット」とは
異なる結末が訪れる「アムレ」


フランスの作曲家、アンブロワーズ・トマ(1811−96)の「ハムレット」 (1868年5月9日、パリ・オペラ座で初演)はもちろん、英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピア (1564−1616年)の傑作戯曲を原作とするオペラである。ところが英語の戯曲をなまじっか知 っていると、オペラ版に唖然とする可能性が大きい。

だいたい題名からして、フランス語は「H」を発音しないので主役ハムレットは「アムレ」に化ける。 他の登場人物もデンマーク王クローディアスが「クロード」、その妻でアムレの母ガートルードが 「ジェルトリュード」、オフィーリアが「オフェリ」、その父の宰相ポローニアスがポロニュースなど など、ことごとくフランス語読みになるので最初は戸惑う。

それでも耳が慣れ、よく知られた物語にフランス音楽ならでは美しい旋律、和音が重なり合う 世界に浸りきった最後の最後に、最大の驚きが用意されている。ハムレットは死ぬが、アムレは 死なないのだ!原作はハムレットが父で、現王の兄に当たる前王(現王に毒殺された)の復讐を 遂げた後に落命する。オペラではオフェリの葬列に前王の亡霊が現れ、「息子よ、お前が王になれ」 と告げる。アムレも「愛する者は墓へ。そして私は王座へ」とこたえ、万歳の合唱とともに ハッピーエンドとなる。

「やり過ぎ」と思う演出家や劇場支配人、さらに観客は多いだろう。「そして私は王!」と宣言する 部分を「オフェリ、お前とともに死ぬ!」に差し替えた版もあり、最近のニューヨーク・メトロポリタン 歌劇場も悲劇版を採用している。あれこれ調べていたら、アムレだけでは不公平だから、オフェリ も生き返らせてしまい、結婚式で「めでたしめでたし」なんてトンデモ版まで存在するそうだ。

日本でも赤穂浪士の討ち入りの実際と、歌舞伎の「忠臣蔵」で描かれるエピソードは一致しない。 史実と、それに基づく小説や戯曲、オペラなどの内容が完全に同じである例の方が稀だろう。 理由は、史実や原作が後の時代を生きる人々になお語りかけ、伝えようとしている社会や人間の 真実をドラマならドラマ、オペラならオペラなりの語法で描くことに、創作の力点が置かれている からである。王子の真実が「狂気なのか、狂気を装った正気なのか?」という疑問の一点だけ挙げ ても、シェイクスピアの原作が現代の私たちに投げかけたテーマは大きい。トマもまた、19世紀 後半のパリのグランドオペラ界から数百年前のシェイクスピアの芝居小屋を眺め、彼なりの「答案」 を観客に提示したといえる。

首都圏での本格的な上演は、東京オペラプロデュースが松尾洋演出で1997年にグローブ座、 99年に新国立劇場で行って以来。フランス人の大胆な読み替えを久々に堪能したい。

(池田卓夫・音楽ジャーナリスト)

2013年 8月 31日()  2:00 PM 開演
      ( 1:15 PM 開場 )

  9月 1日()  2:00 PM 開演
      ( 1:15 PM 開場 )

神奈川県民ホール 大ホール (MAP↓)




総監督  永田 優美子
指 揮  岩村 力
演 出  佐藤 美晴
芸術顧問  奥畑 康夫

管弦楽団  神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合 唱  首都オペラ合唱団

主 催  首都オペラ / 神奈川県民ホール

 [指定管理者:
 公益財団法人 神奈川芸術文化財団]
助 成  芸術文化振興基金助成事業

 [公財] 三菱UFJ信託芸術文化財団

 [公社] 企業メセナ協議会認定
協 力  横浜湘南ロータリークラブ茜会
後 援  神奈川県 ・ 横浜市

 神奈川県教育委員会

 葉山町 ・ 葉山町教育委員会

 朝日新聞横浜総局 ・ 神奈川新聞

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美 術  乗峯 雅寛
照 明  奥畑 康夫
衣裳デザイン  佐藤 美晴
衣裳コーディネーター  森田 恵美子
音 響  関口 嘉顕
舞台監督  徳山 弘穀
舞踊監督  横井   茂
ヘアー・メイク  篠崎 圭子
合唱指揮  中橋 健太郎左衛門

 楠見 哲之
副指揮  諸遊 耕史

 川嶋 雄介
コレペティトゥーア  長澤恵美子

 森   順子

 山岸真紀子
制 作  永田 絵美

 平松 八樹

 吉田 宣俊

 長澤恵美子

 大塚 樹美