くみ丸さんの『まさかり担げず・・・金時山』の文末に端を発して、義足による傷の問題に関して<メーリングリスト夢人島>の登録会員にその対策についてアンケートをお願いしました。
掲載文に多少の変更を加えていますが、基本的に原文のままとしました。
アンケートの内容は、以下のとおりです。
1.ソケットの形式。
2.どんな場合、傷になるのか。
3.その原因はなにか。
4.対策はどうしてるか。
5.対策に対して、効果があるか。
以下はその回答です。

=◇=

Aさんの場合(6歳の両大腿義足使用者である娘の父親です)
1. ソケットの形式
娘は6歳
オハイオ アルファライナーの手首用を使用しています。
ソケットは2重ソケット。ちなみに膝継ぎ手は小児用トータルニー。
内側は熱可塑性エラストマーかな?(商品名 アルファスピリットライナー)半透明でどんなものでもくっつきにくい。
懸垂方法はとても変わっていて、内側ソケットの内側にマジックテープを一箇所貼って、それを外側ソケットで抑えることだけで懸垂しています。
2. どんな場合、傷になるのか。
朝、7時半頃から夜9時まで基本的に履いています。
早いときは、6時半頃に脱ぐときもあります。
夏場で汗をかくと、断端の先端部がお風呂に長時間入ったような感じになります。
そのまま放置すると、べろっとはがれそうで怖いので、気をつけています。
ちなみに疲れると、急に足がつったように痛み出し、急に治ります。
3. その原因は何か。
かきむしるのは、まあ、かゆいからでしょう。
ふやけるのは、やはり蒸されるからでしょうね。
水分の逃げ場がないということかな。
足がつるのは...たぶん我々がつるのと同じように・・・疲れかなと
4. 対策はどうしてるか。
対策は、
1: 朝装着前に傷があるところに小さく切ったサランラップを貼ってライナーを履く。
2: 傷がひどい場合には、ステロイドが少し入った「リンデロン」という皮膚薬を塗る。
3: 馬油主体の製品を夜寝る前にすり込むように塗る。
4: 義足を脱いだ直後に、かかないように馬油や保湿クリーム等を塗ってあげる。
5: 傷がひどくなってきたら「ゲンタシン軟膏」と「アルメタ」というステロイド薬を2度塗りして、ガーゼで押さえて就寝。
つった時の対策は....
とりあえず暖めます。ゆたんぽや電子レンジですぐあったまるやわらかいものを断端に巻いたり・・・・だめなときはお風呂に入ります。
あとは・・・・少しじっとしていて波がおさまるのを待つしかないです。
5. 対策に対して、効果があるか。
基本的に、あらゆることを試した結果、娘に効果がありそうなことだけ続けています。



Bさんの場合:その2
1. ソケットの形式
座骨収納と四辺形ソケットの中間(オリジナル)に、アイスロスX5。
四辺形ソケットのように座骨を受けながらも上から見ると卵型で、座骨を包むようなソケット。オリジナル理論だそうです。これにアイスロスの5本帯のX5を使用。
2. どんな場合、傷になるのか。
X5を使い始めて以来、傷とは無縁。ディズニーランドで1日歩き回っても大丈夫。
3. その原因はなにか。
私の場合、恥骨の形(位置)が女性に似ていて、普通の男性よりも下の方にあることが分かり、ソケットの内側部分をかなり切り込む必要がありました。3人目の装具士さんが発見。それでもアイスロスに出会うまでは、恥骨の傷は続く。
※子供の学校の理科の先生に人体模型の骨盤の部分をお借りして、装具士さんとあれこれ考えた訳。
4. 対策はどうしてるか。
そんな訳で、バンドエイドとボラギノールな生活がしばらく継続。
5. 対策に対して、効果があるか。
まず、アイスロスの1本帯タイプにチャレンジ。アイスロスでもソケットが程々に合ってないと傷は出来ましたが、修正後、さらば バンドエイド!
アイスロス1本帯は、漏れがひどく、しかも6ヶ月でボロボロ。これで商品化とはいかがなものか。
そこにX5が登場。日常生活では漏れはほとんど無し。耐久性も向上。現在2年以上使っていて、かなりボロボロですが、自転車でヒルクライムができるぐらいで、まだ使えそう。
一般的に、アイスロスは汗が問題となり回転したり、抜けたりしますが、私の断端は特異で、あまり汗をかかないため、汗の問題が日常生活では全く問題となってないところがあります。
逆に汗をかかないので、装着前に必ずニベアを塗らないと、ミミズ腫れができます。
Cさんの場合
1. ソケットの形式
IRC(っていうんだっけ?)の2重ハードソケットです。
2. どんな場合、傷になるのか。
変にソケットを押して整形する加工をしていると、長時間経過すると無理が来て傷が出来る感じがするなぁ。前のがそうで辛かった。
今のソケットに変えたのは昨年末で、それまで出来ていた箇所にほとんど傷が出来なくなり、概ね好調です。
3. その原因はなにか。
結果として「ソケット不適合」は間違い無いですな。
(1) ユーザー側の問題
(a) 体型変化が一番大きく影響します(太った(むくみ)、痩せた)
(b) 履く靴の影響(重い、軽い、踵が高い、低い、堅い、柔らかい) 
(c) 膝伸展スピードの調整(重い靴、軽い靴)
(d) 踵の高さに合わせた、足部角度調整
※夏場に重い靴履くと、汗で抜けてきて、結果傷が出来易い感じ。
 (内股や断端付近)
(2) 装具士側の問題
当った装具士のスキルの差は大きいと感じます。
また「最初が肝心」、採型で全てが決まってしまう感じがします。
4. 対策はどうしてるか。
痩せすぎたらソケットは作り替えですが、太った場合はこまめに工場に行ってあちこちいじってもらってます。
あと、寝る時に義足側の足を弾性包帯で巻いて「むくみ防止」かな。
寝相悪いから、すぐ取れちゃうけどさ(笑)
5. 対策に対して、効果があるか。
体重管理が出来ていれば効果はあります。
Dさんの場合
1. ソケットの形式
アイスロスって言うんでしょうか、シリコンライナーのインナーソケットです。
最初の義足は誘導布による引き込み式でしたが、空気が入り易いのと、保持性が劣るので、今はそれにしています。
ただ、シリコンライナーの場合、スポーツをして汗をかく場合、その汗が出て行く先がありません。
ライナーの中でチャポンチャポンしますので、適宜、履き直しが必要です。
だだし、義足を履いているほうの内股の擦り傷は、冬場でもほぼ皆無になりました。

ここ2年ほどは、会社に行く際は1本足で、義足は履いてませんけど。

あと、シリコンライナーを着用する義足のほうが保持性が高いですね。
ソケット自体の天地高も誘導布を用いる義足よりも高いですが…。
2. どんな場合、傷になるのか。
これは、平素義足を脱いで生活していると、たまに履くことによって
皮膚というか足がそれに慣れないようになって、それで…。
というのが多いように思います。

あと、先にも書きましたが、冬場の乾燥ですね。
それで傷が出来るというか。

汗が逃げないことで、水泡もできますし。
3. その原因はなにか。
思いつく範囲では、
(1) 冬場の乾燥
(2) 足自体がソケットに慣れていない
(3) 体重の増減でその影響が足にも出ている場合でしょうか?
反対に重いものを持ったりとか、ずっと曲げている場合とか、そういう外的要因(気候を除く)ではあまり傷にはならないと思います。

ソケットの不適合は、ある程度、人間の身体って適合するものなんですけど、処方してもらって1ヶ月ほど経過しているのに傷になり続ける場合、それはソケットの作成程度の問題かと思います。
4. 対策はどうしてるか。
擦過傷については、
(1) 傷が治るまで履かない
(2) 傷ができる身体の部位にバンドエイドの大きいやつを貼る
(3) 義足を履く前に当りのきつい部分にニベアを塗る(安くてお勧め!)ぐらいでしょうか?
というか、最近はあまり気にしていません。
神経質になると、身障者、やってられないところもあるので。
5. 対策に対して、効果があるか。
私の取っている方法は対症療法っていうんでしょうかね?
原因療法にはなってませんが、特に4(3)は効果があります。
誘導布による引き込み式の義足の場合は、4(2)でしか効果がありませんでした。
Dさんの付記(T)
私が義足に求める要望としては、
(1) 装着のし易さ →靴を履いたり脱いだりするがごとく
(2) 立位と座位における快適性 →異なる姿勢での快適性
(3) 発汗性 →汗をいかにして排出するか
いずれも相反する課題ではありますが、現在の義足ではこれらのうちどらかを重視すれば、どれかを犠牲にしなければならない…。
そんな感じだと思います。
極端な話、ハードソケットではなく、外側がリブ構造で、側がシンサレートやゴアテックス、インナーソケットがシリコンではなく、、、

シリコンではなく、、、

で、インナーソケットの素材で答えが迷宮入りするのですが、私の理想系はそんな感じです。

技師装具士の方や、義足メーカーの方々が日々苦労されていろいろと研究をされているのは分かるのですが、それを理解している上で、あえて意見してみました。
Dさんの付記(U)
実は、おやじさん(宝亭鈍騎)が以前から振られてたネタにもレスしたかったのですが、なかなかそうも行かず。。。
#当方オズール社のシリコンライナー(ピン式)使用、膝はインテリです
たぶん、インナーソケットは同じですね!
私は膝部は3R80です。
仕事が終わってからバスに乗り、大阪へ着いたらそのまま家の用事などをして24時間以上義足を外さないわけです。
いや、これ、同じ姿勢を保持しているというのが裏目に出ている典型的なパターンですね!
私がここ2年ほど義足を履かずに会社に行っている理由がこれです。
自分の思ったタイミングで自由に履き替えができないのです。
なので、釣りに行く際も松葉杖を持って、途中のサービスエリアやコンビニの駐車場で義足を脱いで、釣りをする前に履くという方法を取ってます。
加齢とともに皮膚の水分量が減りバランスが悪くなってるのもあるのかなあ。
うぅ〜ん。。。
医学的にはあるんでしょうけど、まぁそれはそれ。
何とか工夫して乗り切りましょうよ?
先のメール(付記T)で書いたニベアを塗布する対応方法、結構、効果がありますよ!
あまり沢山塗るとインナーソケットを履く場合に履き難くなりますが、いわゆる”当たる”部分の皮膚に適度に塗ってやると、擦り傷や水泡はほぼ皆無になります。
エンジンのOILの理論ですね。
でも、私の場合、水泡ができるのが切断面の先端部分なんですよね。
要は汗が排出できなくて…、だと思ってます。
とにかく義足は長時間つけるものではありませんね。
そうですね、傷や水泡ができる場合はそのとおりですね!
適宜、履き直しというか、皮膚にも呼吸させてやらないと。。。
吸着式の時は下部の栓を外し、そこからタオルをねじこんで汗を吸い取らせるという荒業をしていました(笑)。
一度つけた義足を外すのがとてもいやなんですの〜。
おおっ!それは荒業じゃ。
私は放ったらかしですね。
気が付いたら、エア抜きバルブのところのズボンが汗で塗れているという感じです。
でもズボン履いてる時はつけ直すの我慢します。
足元にズボンがまとわりついてる状態で義足をつけるのってホントやだ(笑)。
私、周りを見て恥ずかしくないシュチュエーションなら、その場でズボン下ろして、パンツ状態で履き直します。
ある程度人目は気にしますけど…。
ボウリングをやってるのですが、仲間内なら全くお構いなしです。
なのに身障者スポーツセンターのボウリング場でそれやったら、係りの人から怒られました。
「お前ら、わしの気持ちが分からんのんかぁーーー!」
と叫びたい心を抑えつつ、「すみません…」と。
外装がゴアテックスだと義足つけたままカヤックとか出来るしいいですねぇ♪
最近は速乾吸湿に優れた化学繊維がたくさん出ているし、そこらへん何とか応用できないものかしら。
まぁ、書いてみたものの耐久性とかも問題ありますしね!
そういうの、メーカーがヒアリングしてくれたらいいんですけどね、
ねぇ? けーさん!
義足のメーカーさんにも我々と同じような切断障害者の方も勤められているので、既にそういう声は出ているのでしょうけど…。

ではまた!
あぁ〜久々に会話した。。。
同じ境遇を理解してくれる仲間って、本当に嬉しいです。
以上
各位のご協力に感謝します。
他に、登山の際のストックとロフストランドクラッチの話題などが出てきましたが、それはまた改めて掲載の検討をさせていただきます。ありがとうございました。


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