丹沢山地ゆるゆる紀行・その一
大 山 の 巻
くみ丸
前回の富士登山を機に、本腰を入れて山登りに取り組み始めたゆる山歩き隊2名(隊員絶賛募集中)。
ウェア&ギアの装備もさらに充実し(散財し、ともいう)、野外活動保険
http://hoken.montbell.jp/about/activity.php
にも加入しました。本気と書いてマジと読む、気合だけはチョモランマ級。しかしながら目指すお山は低山専科(笑)。いいんです。ゆるゆるですから。
今回登りまするは大山。日帰りで登頂可能な丹沢の山を選びました。

登山データ
神奈川県・丹沢 大山(おおやま)またの名を「雨降り山」というそうだ。
標高 1251m
想定される全歩行時間 3時間45分
(“1000円で行く週末マイカー登山”での設定)
登山日 2009年9月下旬
トイレ 駐車場そばのトイレに洋式あり。山頂のトレイは和式、水洗。いずれも紙あり。
今回の登山ルート 大山第二駐車場からケーブルカー追分駅を横目に女坂へ。
阿夫利神社下社を経て大山山頂へ。下山は雷ノ峰尾根を歩き見晴台経由で阿夫利神社へ戻り、男坂を下る時計回りのコース。
[参考]大山観光電鉄−登山コース 
http://www.ooyama-cable.co.jp/cource.html
ワタシ的全歩行時間 約9時間(休憩時間含む)
体力に不安のある人は、ケーブルカーで阿夫利神社下社まで行き、反時計回りで見晴台まで行って帰ってくる往復がよろしいかと…。

大山の駐車場には午前7時前に到着。9時には満車になる可能性が高いとガイド本に書いてあったので張り切りました。

登山にかかる時間を計算すると、少しでも早く出発しなければいけないってのもありますが。案の定、このあと続々と車がやってきました。

あとから聞いた話では9時の時点で満車だったとのこと!

 ガイド本ビンゴ!
午前7時過ぎ
これから行ってくるぜ、の図

大山は階段の山であった
とにかく階段、なのである。追分駅までの道程もそう、女坂もそう。ケーブルカーは午前9時にならないと動かないので登るしかない。

女坂は階段だとは聞いていたけれど…いきなりこれでは気持ちが折れる。「何で登るんだろうあたしゃ…」という思いが沸き起こってくる。

言うたらなんですが、ワタシは世界の建造物において階段が一番キライ!! 立ち止まると鬼軍曹(ワカメ)が「休憩は1時間毎に10分!」と言う(泣)。

まさしくえっちらおっちらの図
でも右足ふくらはぎに溜まった疲労物質をほぐさないと足が上がらないんです!! ふえー。後方から叱咤を受けながら歩を進めるのであった。
女坂には七不思議があります。かなり登ったと思うのにまだ三つ目の不思議だったりしてげんなりしたのはここだけの話。
コレは2つ目の不思議。
画面左上にお地蔵さんがいらっしゃるの見えますかねー。

阿夫利神社下社でご神泉をいただく
ブーブー言いながらも一歩一歩進めば確実に辿り着くのが登山のいいところ。(ホンマか?)
女坂を登りきり、阿夫利神社下社へ到着。開店準備をしていた露店のおばちゃんから「よく上がって来られましたねぇ。お茶でも飲んで行きませんか?」と声をかけられる。思わず「いいんですか〜?」と吸い寄せられそうになったけど、おいおい待てよ、お金取られるやん! ここは笑顔で会釈し通り過ぎました。危ないとこだった。

どこまでも階段
上りきったところから撮ってみました 龍の口から湧き出る泉

それでもまだ階段なのです。本殿に辿り着くまでは階段。この頃からもしかしてこの山はこういうスタイルなのかもしれないと思い始める。やっとこさ上りきり、登山の無事をお祈りしたあと「ご神泉」の看板に惹かれて本殿横の小さな入り口へと向かう。室ではお水が滾々とわき出ていました。一口いただきましたが、とてもまろやかなお水でした。なんだか良いパワーをいただけた気がするわ。300円で持ち帰り用のボトルが売られています。

小休止の後いよいよ大山山頂登山口へ。これまでは序章に過ぎなかった。序章にしてはキツイけど。これから更にきつくなることでしょう。気合を入れて出発。
時刻は9時過ぎ。

そして大山山頂へ
やっぱり階段でしたー こちら、夫婦杉

それが岩だったり木だったりしますが、基本は階段状に足場が整えられた山道です。

こうして足場が整えられている山道は環境を保全するためと何かで読んだことがある。それだけ登山客が多く、踏み荒らされないように整備されているのかなぁ。人気の山ほどそうかもしれません。

野生の鹿がいるそうで、鹿が食べないよう網で囲いをされている木や植物がありました。また、グレーチングが設けられた場所もありました。この上を鹿が歩くのを嫌がるらしい。これも植生回復のためになされているとのこと。

とにかくきつかった。きついっていうかなんていうか。いや、キツいんだ(笑)。石の階段はステップが平らとは限らないので、どこに義足をおけば安定するかを考えながら登ります。そして右足を高く上げなくて済むルートをとること。ワカメからは「コース取りがかなり上手になったね」とお褒めの言葉が。人間、窮地に追い詰められると考えるもんですな。

あともう少しで頂上!でも階段!
すごい勢いで登っていくお子さんに感嘆しつつもゆっくり前進。

26丁目あたりが頂上だろうと思っていたので、道中の石標を励みに頑張りました。丁目の間隔は結構短いように感じたので気持ちラクだった。

鳥居が見えたときはホッとした。でも階段だけどー。

となりの山ごはん
そして11時半頃、山頂へ到着しました。山頂には売店もあります。そんなに広くないスペースなのでかなりの人でにぎわっている風に見えますが高尾山に比べれば全然。

隅っこに場所をとってお昼ごはんにしました。

大山山頂!

うちはおむすび派

登山のときの行動食はおむすびに決めています。朝、3合炊いて8個握ってきました。

具はゆかりと梅おかか、アサリの佃煮。登山中はこまめな栄養補給を信条としているので、登ってくる途中で2個のおむすびは消化済み。ま、朝ごはんも兼ねてましたから。

残りの2個と、バーナーでお湯を沸かして作ったインスタントのお味噌汁を美味しくいただきました。山で食べるものはおむすびが一番美味しいと思います(って他のものを食べたことないけど)

ここでワカメが痛恨のミス! 荷物を減らそうとして、コップを持ってくるの忘れたんですねー。クッカー1つあれば良いかと。でもクッカーでお湯を沸かしたらそのお湯でコーヒーどうやって入れるの…!次回への教訓となりました。まだまだ山ビギナー。

周囲の人の山ごはんを見ると、
タッパーに手作り惣菜をたくさん持ってきている中年女性集団=メンバーの一人が代表して作ってきたらしく、その豪華さにびっくり。重かっただろうなぁと思う。
完全山装備の集団だったので、プロ(?)にしてみたら大山はハイキング気分で大丈夫なんだろうな。
トマト入りの炒り玉子をご飯の上にのせていたおじさん=出発が早朝なので妻に作ってもらえないから自分で作ってきた、とお仲間に話していました。
めちゃくちゃ美味しそうでした。でもデザートのぶどうの皮をベンチの下に捨てるのはいただけない(怒)。
バーナーを使う人が多かったですねー。あちこちでボーッという点火の音が聞こえていました。そんなバーナーで作るご飯ナンバー1はインスタントラーメン!!

お湯を注ぐだけのカップ麺から袋麺を調理する人まで様々。いやー、なんかプロっぽくてうらやましい(笑)。うちもいつかは山頂でインスタントラーメン!

下山〜見晴台へ

上りよりラクだけど
スピードは上がらない

この日の天気は曇り時々晴れ。本来ならば美しく見えるはずの富士山や町並みも視界不良で見えず。じっとしていると寒さを感じるほどだったので頂上では長居をせずに小一時間ほどの休憩で下山開始。手袋をはめるとだいぶ寒さが和らぎました。足元・指先の防寒は大切ですね〜。

ストック使用時の歩行は基本的に三点歩行(義足を出すときに両手ストックを一緒に前に出す)です。しかし、下山時には健側の右足もかなり疲れてますので、平坦な尾根を歩くときは時として四点歩行(右足を出すと左のストックを出す)をしました。いわゆるケースバイケースですねー。

はしごを降ります →

でも高さはそんなに無い(笑)
(注:筆者の身長167cm)

写真では分かりにくいですが
、左横結構ながけです

岩場もあったけど
高さはそんなに…(笑)

そんなこんなで14時過ぎ、見晴台へ到着しました。下りの途中にあるベンチから見晴台が見えたのですが、そのときは「ゲっ。まだあんなに遠い」と思ったけれど、見晴台から大山頂上を見ると「あそこからここまで来たのか〜(感慨)」とニヤけてしまいます。
 

赤丸のところが大山頂上付近
地図を読む訓練をしていたワカメは、時折地図を見ながらフムフムとうなずいていました。

地図を見て、実際歩いているところを確認すると「まさしくその通り!」って具合で面白いらしいです。

ワタシもカラーコピーした地図を持たされましたが見ていません。地図、読めないもん。

とどめの男坂

“命”なんて余裕もつかの間…

見晴台から阿夫利神社下社まで辿り着き、そこから男坂を降りて駐車場を目指します。

ケーブルカーに乗って降りるという手もあったのですが、ここまで来てケーブルカーに乗ってられるかいな!というヘンな意地も手伝って、往路とは違うルートでの下山を目指したのですが…。これが大失敗。男坂の階段はハンパなくキツイです。

斜面は急だし、階段のステップの奥行きは小さいし、手すりは無し。すべて己の脚力と腕力で降りなければいけません。
義足を下ろし、健足を下ろす時にバランスを崩すと一気に転落。義足女性、大山の階段で転落事故というニュースが真面目に脳裏をよぎりました。

ここまで頑張ってくれた健足も疲労の限界。ぷるぷる震えます。
ヘンな意地でケーブルカーに乗らなかった o rせめて女坂にすればよかったと思うものの、こうなったら最後まで行くしかない。
写真で見るとその急さ加減が分からないのが惜しい。

疲れていて怖くて足がすくむ。へっぴり腰で奇妙な下り方をする私にワカメから容赦ない指摘が。「正しい下り方をしないといつまでたっても上達しないよ!!」…はい、そうですね。

石段ですからなるべくフラットな部分を探します。
ここぞと決めたところでまずは両ストックを下ろします。重心はなるべく後方に残したまま義足を下ろし、つぎに健足を下ろします。

疲れているので思ったより義足が前に出ず、石段にかかとが引っかかる場合が何度かありました。なので必ず義足が前に出てることを確認して着地。ひとつひとつ丁寧に…それを心がけて降りました。
 

一歩一歩冷静に…

男坂入り口の階段。
這って登っている人も
いたくらい、急。
男坂は女坂より急だけど距離は短いはず。それだけが心の拠り所でした。

途中手すりつきグレーチングの階段が2箇所、岩場があったりもして(石段よりマシ〜!と涙が出た)降りること1時間。
ケーブルカーの駅らしき屋根が見えたときは叫びました。「やったー!」 あと少しで終わりというところこそ気を引き締めねば。

最後まで「ゆっくり」「丁寧」を言い聞かせながら下りきりました。

こうして無事に大山登山が終了しました。参道のお店でラムネを飲み(ぶどう糖が身体に沁みた!)
<http://www.kyarabuki.com/>大津屋さんでお土産を買い(きゃらぶきで有名なお店らしい。甘口と普通のがあって、味見した結果普通のを購入。

おむすびに必須のゆかりと生野菜につけて美味しい金山寺みそ)、帰宅しました。
 

「きつ〜い男坂」の
“〜”がムカつく(笑)

大津屋さんの佃煮
帰宅後、お家で復習会。

今回の大山が実質初めての登山と言っても過言ではないでしょう。
初級の山とはいえ、私にとってはそれほど易しい山ではないことも実感。 

今回は往復にかかる時間も気にしていたけれど結局は倍の時間かかっている。下山で思うようにタイムを稼げないことが大きい。
疲れているし膝が使えないしで交互降りが出来ないのです。
とくに男坂で1時間かかるとは予想外でした。

課題もありますが、それでも自分の中で何かをクリアした感は充分にあり、あれだけ「もういややー」と思っていたにも関わらず、「次はどこ行く?」と言っている有様。

ああ、私はやっぱり山が好きなのかも(笑)。
 

参考資料
“1000円で行く週末マイカー登山”
学研、定価1260円
ISBN978-4-05-605606-8
1000円ってところが旬。駐車場の混み具合なども書いてあって参考になります。

“日本百低山” 標高1500メートル以下の名山100プラス1
著者:小林康彦 (文春文庫)
定価1190円+税
ISBN978-4-16-775359-7
北海道から関西以西までの100低山を紹介。大山も勿論載ってるよ。
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