私(宝亭鈍騎)が、このヨットの存在を知ったのは、けー氏からの一通のメールからである。ヨットエイドジャパンの存在は知っているから、この手の情報かな? と思っていたが、添付の写真を見て、これは違う!! いささか驚き同時に少なからぬ興味を持った。
「見たい」「体験したい」思いはあるものの、まだ果たせない。
ここにご紹介するのは、けー氏のメールと、彼に紹介された西井氏からのメールの抜粋である。
けー氏のメールから
金曜日にクルージングチームのグラハムさんという人がオーストラリアからやってきました。
彼は身障者(切断者・ブラインド・脊損・など)用のヨットの普及をさせる為に日本にきたそうです。
大阪・神戸・和歌山ではデモ機の試乗をさせたりして紹介して廻ったそうなのですが、関東方面では何処に行ったら良いか解らなく、困って、こちらに来たようです。
川村社長がヨット好きの義肢屋さんを紹介されましたが、私は鈍さんを紹介しようかな? と思っています。カヌーとヨットでは共通点がありそうだし・・・。

実際モノは評判良いそうです。試乗会ではあらゆる障害者が列を成したそうです。
一度乗るとなかなか降りてくれないそうです。

=普通のヨットとの違い=
@ 安定感がある=安全 (彼曰く、カヌーよりも障害レベルを高く設定できるそうです)
キールが長くて重い・・・らしい
幅広(進行方向に向かって2人並んで乗れる)
A 普通のヨットは進行方向に向かって横を向いて乗り、セイルを動かすたびに体位をずらさなければなりませんが、このヨットは進行方向に向かって前向きに乗り、セイルの操作は軽く操作できるジョイスティックを用いる為、体幹移動の必要性が無い。
B 椅子がついている。→ハンモック型の椅子がついている為、おしりが濡れない。
※二人でも乗れますし、勿論一人でもO.K.。私は一人でしか乗れない・・・。
とりあえず写真送ります。グラハムさんは障害者だけでセイリングチームを結成し、世界1周しました。その写真も送ります。

つきましては西井伸嘉さんにメールでコンタクトして頂けないでしょうか?
西井伸嘉氏からのメール
川村さんから紹介を頂いた西井です。
紹介していただいた趣旨は、私達の進めるsailabilityのアクセスディンギーを是非ともホームページで紹介して欲しいと言う事なんです。

アクセスディンギーを使ったSAILABILITYの運動は、オーストラリアで始まったものです。
私とGRAHME RAYNERさんは、今年の春に行われましたOSAKA CUPのメルボルンで始めてお会いしました.
ヴィジョンクエストの二人は共に車椅子を使う身体障害者であり、彼らの挑戦は、頭の下がる思いがします.
私達はメルボルンでほんのわずかの間ですが話をしました。
大阪で再び会う事が出来たら、私のヨットクラブに来て話をしてくれる様に頼みました.

大阪に帰ったのは私の方が速かったので、私は約束どおり大阪北港に彼らを迎えに行きました.
グラームさんは大阪に一週間滞在する予定でしたので私は是非とも日本の身障者セーリングをしている団体に彼を紹介したいと考えました.

当時私はその種の団体としては、ヨットエイドしか知りませんでしたので○○氏に連絡を取った所○○氏は彼をパラリンピック選考会をかねたセーリングの集まりに彼を招待したいと言う申し出をしてくれました.航空券のことなどいろんな問題がありましたがそれをなんとか解決してその集まりに出席する事が出来ました.

其処で私たちの見たのはソナーと言う3人乗りのヨット四隻で夢の島マリーナでのレースでした.3名のうち一人は健常者でなくてはなりませんし15ノット以上の風の中のそれはとても楽しいと思うものでは有りませんでした。少なくともマークボートの私にとっては!
天候も悪く四隻のうちレース海面に出たのは2隻で内1隻にはグラームさんが乗りこんでおり、これが日本の身障者セーリングの実態なのかと愕然としました.

一方グラームさんがオーストラリアで進めている、SAILABILITYの運動はアクセス.デンギィーという、特別なヨットを使い其れは2.3メータの長さしかないロマンスシートを持った決して沈しないデンギィーです。
これを使うと始めてヨットに乗る人でも僅か3分でマスターでき、全てのと言っても良いくらいの身障者が自分で海に出る事が出来ます.

彼は其れを日本で広めたいと考えました.
オーストラリアに帰った彼はメルボルン市、ロータリークラブからの寄付を集める事が出来ました。
勿論不足分の2隻については自分の自腹を切り、日本に向けて船積みしました.
8月初旬に贈られたヨットは彼の言う通りのものでした.私達は大阪北港、それに和歌山マリーナシティで七回のCOMING AND TRYを行いました。

coming and tryをして私達はいろんな事を学ぶ事が出来ました.
アクセスディンギーは、決して身障者の方だけのものでは有りません。これはユニバーサルデザインの優れた一例だと思います。何故グラームさんがこの運動を進めようとしている理由も其処にあります.

彼が五年前に足を失った時に始めてしたのが車椅子のバスケットボールでした.。併し其れは身障者だけの物でついてきた家族や友人は彼らがプレイしている間は待っていなくては成りません。
sailabilityの運動はそうではありません。簡単な操作を覚えるだけで海に出る事の出来るこのボートはいろんな可能性をもたらしてくれます。
付き添いで来た御父さんや御母さんが、子供達と一緒にセーリングに熱中する姿はseilsbility では、当たり前です.
身障者の方が健常者の方のインストラクターになることは勿論、異なる障害を持つ人達が助け合いながらセーリングを楽しむ事が出来ますし、アクセスの中には顎で舵とメインシートを動かす事が出来る2.3一人乗りもありとあらゆる人がセーリングに挑戦できると言うものです。

私はこの運動が全国に広がればと考えており、いろんな方の助力を求めております
オーストラリアsailabilityのホームページです
参考にしてください。
http://www.sailability.org.au

1999年10月28日に西井氏から新たな情報が寄せられました。


最近起こった事を、報告します。
(この記事は宝亭鈍騎が翻訳したものです)

●トップニュースは、アクセスディンギーを、東京に1隻運んだ事です。
東京ヨット訓練所と言う所で、日本セーリング連盟の、催で見てもらいたいと思いましたので、ライトエースに、お気に入りのダニー号を、積んで行きました.
当日、障害者も集まると言う事でしたし、グラームさんも、カナダから、再来日して、参加できるとの事で、喜んでおりましたところ、残念な事に、突然中止となりました。
そこで、とりあえず、東京ヨット訓練所にボートを運んで、付近に居られる方に、試乗してもらいました。
30人ほどの方に、乗ってもらいました。
5時30分で終ってしまうと言うので、最後は写真のようになりました。
〈訓練所の時間だそれで終るから〉
普段は救命胴衣もつけず、4人も乗る事はないのですが、レスキュウボートが、近くに居ましたので、目をつむりました。
四人を乗せても、操作性は何ら変わらず、風を捕らえて、皆を楽しませてくれました。

●横浜ラポールに、行きました。
大阪舞洲スポーツセンターと交流があるとの事で、スポーツ担当の課長と係長に会う事が出来ました。
ケンボウと言う、片足切断の方の紹介でした。彼はカティサーク帆船レースに出た方です。今月のビーパルに、その様子が出ているとの事です。舵11月号にも、出ています。
ラポールでは、カヤックと言うのを、プールで、行ったそうです。評判は良かったとのことですが、やはり海でしたいのですが安全面で、不可能だとのことでした。
大阪北港で行っているcoming and tryのビデオを見ていただきましたところ、これだったら可能だと驚いておられました。
ダビングしてビデオを送りました.

●横浜ベイサイドマリーナ、有志の方がsailabilityに、強く関心を頂いております。
来春に横浜ベイサイドマリーナでcoming and try が実現すれば、是非とも参加してください。
マリーナ、クラブに、働きかけるとの事です。資金の点で、問題が残りますが、動き出しており、希望を捨てておりません。

●舵11月号に、sailabilityを紹介してもらいました。17、21ページです。覗いて下さい.

●11月4日、2週間の予定でオーストラリア・シドニーに行きます。
グラームさんの、お宅に泊まり、seilablityがいったい、どう言う活動をしているのか、ハードはわかったので、次はソフト面の勉強をするつもりです.
必要な所へは、グラームさんがつれていってやると言っております。
大阪市長から、ピーターコスティガン・メルボルン市長宛てに、返礼の親書を用意してもらっております。ピーターコスティガン・メルボルン市長は、ダニーボートの、スポンサーで、応援団です.
シドニーでは、sailabilityの、賛同者で、オーストラリア総督のウィリアム・デ−ンさんとも、会う予定です。

●イギリスで、アクセス・ディンギーを使ったレースが行われ、視覚障害の方が、優勝したそうです。この冬には、その人をオーストラリアに招待して、いっしょにレースをする企画を立てているそうです.
近い将来、日本からも参加できるように、頑張りたいと思います。