はじめまして 投稿者:chi .. 2002/07/22(月) 15:39
はじめまして。chiと申します。
私の主人が3年前に仕事中の事故で右ひざ下を切断しまして、今は義足を装着しているのですが、みなさんにちょっと教えて頂きたいことがありましてカキコさせていただきました。
主人は今年になってから仕事復帰しまして、建築の現場で肉体労働しているのですが、今月に入った頃から切断部の神経がぴりぴり痛んだり、頭のてっぺんまで突き上げるような痛みがたまに起きたりします。
幻肢痛は術後1ヶ月程度で落ち着きまして、今回のそれは幻肢痛とは違うようだと言っています。
素人の私が勝手に想像するに、仕事で重たいものなどを持ったりするので今まで以上に切断面に負担がかかっているせいなのかな?などとも思うのですが、下肢切断をしてスポーツをしている方などで同じような症状の方がいらっしゃっいませんでしょうか?
何か改善方法を知っている方がいらっしゃいましたらお教えください。
北海道の田舎に住んでいるものですから、大きな病院でも情報があまり入ってこないので困っています。
投稿者:鈍 .. 2002/07/22(月) 23:26
chiさん、始めまして。
管理人の鈍です。
ご質問について、いま、メーリングリストを通じて助言依頼をしましたので、医師、当事者の経験談などが書き込まれると思います。しばらくお待ち下さい。
投稿者:chi .. 2002/07/23(火) 11:19
鈍さん、はじめまして。
さっそくの回答、本当にありがとうざいます。

主人は体を動かす仕事が好きなので、なんとか痛みが少なくなるような方法が見つかって快適に仕事が続けられたらいいなと思っています。
今の状態ですと「体を動かす仕事は無理なのかな」と主人もちょっと弱気になっているものですから・・・
お忙しい中、お手数かけますがよろしくお願いいたします。。
投稿者:川村次郎 .. 2002/07/23(火) 16:26
リハビリテーション専門医の川村次郎です.
断端の痛みには幻肢痛と断端神経腫の二つがあります.
断端神経腫の場合,断端のどこかに押さえると非常に痛い部分があり,その部分に塊りを触れるのが普通です.
幻肢痛は何もしなくても(押さえたり,体重をかけたり)痛いのが特徴です.
幻肢痛でも断端神経腫でも,痛みは手足の先の方に広がるのが普通で,頭の方にというのはちょっと不思議ですね.
やはり一度整形外科医の診察を受けられることをおすすめします.
北海道では,札幌医大整形外科の成田寛志先生が有名です.
もし疑問がありましたらメイルをください.
川村次郎
投稿者:chi .. 2002/07/23(火) 23:44
川村様、詳しい説明ありがとうございます。
本日、痛みが続いているので地元の整形外科の受診を受けてきましたが、レントゲンを撮っても骨や皮膚には異常はなく、やはり神経的なものだろうとの結果で、痛み止めの飲み薬と座薬を処方してもらってきました。薬を飲むと痛みは和らぐようです。

ひとまず、2,3日様子を見てみる事にします。
何もかも分からない事だらけなので、どうしても改善しない場合はメール送らせていただくかもしれませんがよろしいでしょうか?
投稿者:鈍 .. 2002/07/24(水) 01:51
川村先生
いつもご指導ありがとうございます。
もし、これが断端神経腫であった場合、完治には手術などが必要なものでしょうか?

chiさん
一つ方向が見えてきましたね。良かったと思います。
それから、この種の痛みを経験した方からのカキコがありませんが、もしかすると少ない症例なのかも知れません。
ともかく、これをきっかけに良い方向に向かうことを願っています。
投稿者:鈍 .. 2002/07/24(水) 21:36
川村先生から回答が届きましたので、アップします。

chi 様
どうぞご遠慮なくお尋ねください.
そのときは,どんな痛みなのか,できるだけ詳しくお知らせください.
例えば,
どこに痛みを感じるのか(切断の場合の痛みは手足のない空中に感じることもあります).
どんなときにいちばん痛いのか(日中動いたときにいたいのか,夜寝ているときに痛いのかなど).
痛みの持続時間は(何分,数秒など)どんな痛みか(鈍痛,ずきずき,しびれる,ノコギリで切られるようななど)押さえて痛い部分があるか,あればその場所にしこりをふれるか,痛みは何処に響くか.などなどです.
投稿者:chi .. 2002/07/24(水) 23:33
またまたありがとうございます。

今日1日様子を見てみて、薬のおかげか突き上げてくるような痛みは今日のところはなかったのですが、相変わらずしびれはあるようです。
昨日、今日はお仕事を休んでいたのですが、明日は軽い仕事をしてみるようですので、明日もう1日様子を見て変わらない様子であれば違う方法を考えなくてはいけないのかなとも思いますので、そのときは川村先生にお世話にならせて頂きたいと思っております。

鈍さん、わざわざ川村先生にお問い合わせくださったのでしょうか?
ありがとうございます。
見ず知らずの私たちにこんなに力になっていただけて感謝の気持ちでいっぱいです!
PCがあまり得意でない主人も「こんな事が出来るんだ〜」ってとっても感謝感激しております。
投稿者:鈍 .. 2002/07/25(木) 00:13
chiさん

私はサイトを運営しているだけで、力は微々たるものです。
ここが成り立っているのは、今回の川村先生を始め、多くの方に支えられてこそなんですよ。
私自身、ありがたいとみなさんに感謝しています。
そしてまた、いずれはchiさんご夫妻にもここを支える存在になっていただければと、願っています。
今後とも、夢人島をよろしくお願いします。
投稿者:chi .. 2002/07/25(木) 21:44
そうですね。
今回、こちらの掲示板に書き込ませていただいて、精神的にもとても支えられました。
私たちだけであれこれ考えているとだんだん暗〜くなってしまいますので・・・
支えるなんて事はおこがましいですが、私たちにも何か出来る事があれば嬉しいなと思いますので、(頼ってしまう事の方が多そうですけど・・・)こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。
投稿者:鈍 .. 2002/07/28(日) 21:59
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 メーリングリスト登録会員からの代理アップです。
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こんにちわ!!
下腿切断でも色んな症状あるんですね。
まず、幻肢痛・・この痛み、自分には殆どありません。
さらに

> 主人は今年になってから仕事復帰しまして、建築の現場で肉体労働
> しているのですが、今月に入った頃から切断部の神経がぴりぴり痛
> んだり、頭のてっぺんまで突き上げるような痛みがたまに起きたりし
> ます。

この痛みも、あんまり経験した事のない痛みです。
このなかで言われているように、以前あった神経が過敏に反応してるんじゃないか?と想像します。
体験ないだけに、アドバイスにはならないですが・・・・。
自分が困るのは、切断部の傷です。
長時間の義足装着で、皮がふやけた状態だと、過激な運動をしなくても、傷が入る事がままあります。この辺の事情を分かってもらえない辛さは今でもあります。

こういう切断者からの話を聞ける場って少ないですからここは貴重ですよね。
投稿者:臼井  ..   2002/08/03(土) 05:19
久し振りに書かせていただきます。義肢装具士の臼井です。

頭のてっぺんまでズキンとくる傷みから察しますと(断端部のソケット内への落ちこみ)と(懸垂バンドのゆるみによる上下動)により骨先端や神経が圧迫されているのではないでしょうか。

肉体労働に復帰され4ー5か月、リハビリ以上に運動をよぎなくされますし、今年は春から暑い日がつづいて発汗も多くなり、断端がいっきに痩せはじめたと考えられます。言い方をかえれば断端成熟に近付いたということです。

義足ソケットは硬質で大きくなったり小さくなったりしませんが、クッション材のソフトインサートやシリコンライナーは日々の使用により、つぶれやへたりが生じます。つまり徐々にぺしゃんこになります。するとソケット内がゆるくなります。
前述の断端が小さくなりつつあることと併せるとかなりゆるくなってきたのではなでしょうか。

もちろん簡単な自己対策でスタンプソックス(断端袋)の枚数を増やすなどされていると思いますが、それだけでは適性な適合に追い付かないほどのゆるみ、、、と思います。やはり担当のドクターや義肢装具士に相談してはいかがでしょうか。

切断から社会復帰され2年くらいは断端は小さくなります。そして今が一番、急激なときだと思います。

私のセンターで作られてる○子○治さん(下腿、34才)100m,12.64秒 日本記録保持者 は大工さんです。切断後10年で断端変化はもうそれほどありませんが仕事やスポーツ時に汗をいっぱいかくと皮膚がふやけてしまい、傷が出来易く また傷ができると治るまで苦痛の日々を送らなければならず 今でも足との戦いだ と嘆いていますよ。

日々の断端ケア、義肢を知ること 汗をながして働き生活するにはとても大切なことです。

今回は仕事復帰後に傷みが発生ということで 手術による骨、筋、神経の問題点には触れませんでしたが、相談に行かれた際には再度チェックしていただいてもよいかと思います。

ちょっと長くなりました。汗して働くたくましいおとうさんに宜しくお伝え下さい。
臼井 二美男
日下病院の川村次郎です。
2002年12月27日 追加
この記事は、他の項と重複しています。【宝亭鈍騎】
断端神経腫について文献を調べるとお約束しながら遅くなって申し訳ありません。
断端神経腫と、ついでに幻肢痛についても調べましたので、その結果をご報告します。

断端の痛みには大別して幻肢痛と断端神経腫があります。
それ以外にソケットがすれて傷ができて痛いとか、汗で困るという悩みを聞くことも多いのですが、今回はその二つについてに限らせていただきます。

古くから言われていることと、最近の新しい話を両方しますので、区別して読んでください。

1.断端神経腫

神経を切る(切断する)と、その後で断端(はしっこ)にできる塊(しこり)です。神経を切断するとできるので、断端神経腫といっても、ガラスで指を切ったとか、手術を受けたというような手足を切断していない場合でもできます。

断端神経腫は神経を切ってから1ヶ月から長い場合は2−3年後にしこりができ、何もしなくても痛い(自発痛)場合もありますが、たいていは断端神経腫の場所を押さえると激痛が走るというのが普通です。

これまでの普通の治療法は、断端神経腫を切除するとともに神経を短くして、断端の深くに、柔らかい生体組織に囲まれた場所(”わるさ”をしにくい場所)に断端神経腫を移動させることでした。しかし、”わるさ”をしにくい場所に移したといっても、実際には痛みが残る場合が多いことはみなさんご承知の通りです。

そこでこれまでにいろいろな手術が考案されてきました。その一つは切断した神経の端っこを骨の中に埋込んで、痛い神経腫を骨に中に作ってしまおうという手術です。この方法は外から押さえても痛くなくなるので、完璧なように見えますが、神経の先端が骨に固定されることになるので、神経が動いたときに引っ張られて却って痛いことがあることも分かっています。神経の断端近くにアルコールや熱を加えて、神経の再生力をなくしてしまうことも行われましたが、結果は却って痛みが強くなることがあり、最近はほとんど行われません。

この1・2年間に学会で発表されるようになった新しい方法を、論文や学会発表の記録から紹介します。新しい方法は断端神経腫の形成そのものを予防しようというもので、神経の断端を静脈内やコラーゲンチューブ、脂肪内に挿入する方法です。

一方神経断端の血行をよくして神経腫の形成を予防しようとしている研究者もあります。それぞれよい結果が得られたという発表ですが、静脈内挿入以外は、まだ動物実験の段階です。ヒトでの静脈内挿入の場合は、6例中4例に痛みが消失し。1例は軽減したが、1例は違った場所に痛みがあるようになり、再手術をしています。川村はこれらの新しい方法は、まだ広い意味での、実験的段階と考えたほうがよいと思います。

2.幻肢痛

切断してないはずの手足の痛みです。切断でなくても、脳卒中のマヒした手足や、下半身マヒの下肢が痛むことがあり、その中には幻肢(マヒの場合には過剰肢といったりします)の痛みが混じっているようです。

幻肢痛も切断してから、何ヶ月、何年後に起こってきます。これまでの医学の教科書には、幻肢は小児には幻肢はなく、成人の幻肢も数ヶ月程度でなくなり、痛みも起こらなくなると書いてあることが多かったのですが、最近の調査では実際には切断後何年も立っても幻肢や幻肢痛が続いている人が相当数あることが分かってきています。

幻肢痛の原因はまだ分かっていません。痛みは神経の切断後に脳に起こる変化が原因であるという説と、神経の断端からの刺激が脳に伝わって痛みを起こすのだという説や、心理的原因説などです。どっちの説にももっともなところと、おかしいところがあり、まだ決着がついていません。実際には、起こっている断端の痛みが、幻肢痛なのか、断端神経腫の痛みなのかさえ、判断がつきかねる場合すらあります。

[幻肢痛の治療法]

幻肢痛には一般の痛み止めは効果がありません。鬱病の薬の中で、幻肢痛に効果のあるものがありますが、必ず効くわけではありません。幻肢痛は義肢をよく使っている人に少なく、使っていない人に多い傾向があるようです。また下肢の切断者よりも上肢の切断者のほうが、幻肢痛で悩んでいる人が多く、心理的な影響が大きいので、心理療法が行われるときもあります。

最近の研究では、2種類の麻酔薬を混合して皮下注射や静脈注射を1週間から2ヶ月続けて、全員(4例)の幻肢痛が消失したという報告があります。パーキンソン病の薬がよく効いたという報告もあります(1例)。また脳に磁気(磁石からの磁力)をあてる方法も、ごく最近には試みられています。

以上いろいろと書きましたが、断端神経腫も幻肢痛も、これをしたら全部の人がよくなるという治療は、残念ながらまだありません。一人一人の症状を詳しく調べて、その人に最適な方法を探すのが、現時点でもっとも賢い方法だろうと思います。というわけで、幻肢痛や断端神経腫でお苦しみの方は専門医(川村の考えでは、切断者を多く診ている整形外科医やリハビリテーション医)にまず診てもらい、必要なら新しい治療法を行っている専門医に紹介してもらうのがよいように思います。

以上です。

さらに個人的な質問がある方は、川村のメイルアドレスに直接質問いただいても結構です。