幻肢痛について、いろいろな質問が来ています。掲示板にカキコされたものをまとめてアップしますので、参考にしてください。
2002年12月27日 宝亭鈍騎

質問その1
みなさん、はじめまして。○○と申します。
義足の事について色々と調べていて、こちらのサイトを拝見しました。
私の身内なのですが、先月左足大腿を切断し、現在仮の義足も出来、リハビリ中です。

ところで足を切断した翌日から、ひどい幻肢痛を訴えて今に至ります。
無い左足のふくらはぎや、指が痛むのだそうです。幻肢痛は特に治療法もなく、半年で消えるかもしれないし、10年以上かかるかもしれないと聞きました。

初めてなのにこのようなお願いをして大変失礼だと承知していますが、みなさんの幻肢痛との向き合い方を教えていただきたいのです。

本人も幻肢痛とこれから向き合っていくしかないのは分かっていますが、周りに同じ苦しみを体験している人がいないので、皆さんのお話を伺って、自分も一日も早く克服したいと願っています。

勝手なお願いばかりで申し訳ありません。どんなお話でも構いませんので宜しくお願い致します。
質問その2
こんにちわ。初めまして!□□さん、△△さん、私は義足ではなく、両手切断の事故で現在義手を使って生活してるまだ若輩者です(^^;)>

この前の私の相談に応じてくれた方々にもう一度お礼申し上げます。ありがとうございましたm(__)m 皆さんの意見を参考に焦らずにやっていこうと思います!!

【中略】

で、質問なのですが、、幻肢痛とは何ですか?よく私が手があるような感覚や、しびれ、けいれんなどの事をいうのでしょうか?私にはこういう症状が頻繁にありますが・・違うのでしょうか?また、これは放っておいてもいいのでしょうか?
補足
他にも質問が寄せられていますが、割愛しました。
幻肢と言うのは、切断手術等によって失われた手足が未だにあるような感覚を言います。
幻肢痛というのは、切断手術等によって失われた手足に痛みを感じる事です。感じ方は個人差が大きく、いろいろな形ででてくるようですが、一般に電撃のような痛みを感じることが多いようです。

リハビリテーション専門医、川村先生からの回答 #1
普通の痛み止めは効かないことが幻肢痛の特徴です。
しかし幻肢痛にはまったく治療法がないわけではなく、ある程度痛みを押さえる薬はあります。
ただそれを飲むと痛みが起こらなくなってしまうのではなく(根治するのではなく)、痛むときに飲めば痛みが柔らぐ程度です。人によっても効き方に違いがあり、かなりよく効く人と、あんまり効果のない人があるようです。

心の持ちようも大きな影響があるようです。いつまでもくよくよして、幻肢痛または切断にこだわり、仕事にも戻ろうとしない人は、いつまでも幻肢痛に悩まされる傾向が強いようです。前向きに考えて、日中は仕事でくたびれはて、夜は崩れるように眠ってしまうような生活をしている人には、幻肢痛はあまりとりつかないようです。

また上肢切断者は一般に幻肢痛が強く、下肢切断者は軽い傾向があります。
下肢切断者の場合、まず良い義足を装着し、どんどん歩いて仕事もし、遊びもするのが幻肢痛撃退の最良の方法だと思います。
川村次郎  
リハビリテーション専門医、川村先生からの回答 #2
日下病院の川村次郎です。

断端神経腫について文献を調べるとお約束しながら遅くなって申し訳ありません。断端神経腫と、ついでに幻肢痛についても調べましたので、その結果をご報告します。

断端の痛みには大別して幻肢痛と断端神経腫があります。
それ以外にソケットがすれて傷ができて痛いとか、汗で困るという悩みを聞くことも多いのですが、今回はその二つについてに限らせていただきます。
古くから言われていることと、最近の新しい話を両方しますので、区別して読んでください。

1.断端神経腫

神経を切る(切断する)と、その後で断端(はしっこ)にできる塊(しこり)です。神経を切断するとできるので、断端神経腫といっても、ガラスで指を切ったとか、手術を受けたというような手足を切断していない場合でもできます。

断端神経腫は神経を切ってから1ヶ月から長い場合は2−3年後にしこりができ、何もしなくても痛い(自発痛)場合もありますが、たいていは断端神経腫の場所を押さえると激痛が走るというのが普通です。

これまでの普通の治療法は、断端神経腫を切除するとともに神経を短くして、断端の深くに、柔らかい生体組織に囲まれた場所(”わるさ”をしにくい場所)に断端神経腫を移動させることでした。しかし、”わるさ”をしにくい場所に移したといっても、実際には痛みが残る場合が多いことはみなさんご承知の通りです。

そこでこれまでにいろいろな手術が考案されてきました。その一つは切断した神経の端っこを骨の中に埋込んで、痛い神経腫を骨に中に作ってしまおうという手術です。この方法は外から押さえても痛くなくなるので、完璧なように見えますが、神経の先端が骨に固定されることになるので、神経が動いたときに引っ張られて却って痛いことがあることも分かっています。神経の断端近くにアルコールや熱を加えて、神経の再生力をなくしてしまうことも行われましたが、結果は却って痛みが強くなることがあり、最近はほとんど行われません。

この1・2年間に学会で発表されるようになった新しい方法を、論文や学会発表の記録から紹介します。新しい方法は断端神経腫の形成そのものを予防しようというもので、神経の断端を静脈内やコラーゲンチューブ、脂肪内に挿入する方法です。一方神経断端の血行をよくして神経腫の形成を予防しようとしている研究者もあります。それぞれよい結果が得られたという発表ですが、静脈内挿入以外は、まだ動物実験の段階です。ヒトでの静脈内挿入の場合は、6例中4例に痛みが消失し。1例は軽減したが、1例は違った場所に痛みがあるようになり、再手術をしています。川村はこれらの新しい方法は、まだ広い意味での、実験的段階と考えたほうがよいと思います。

2.幻肢痛

切断してないはずの手足の痛みです。切断でなくても、脳卒中のマヒした手足や、下半身マヒの下肢が痛むことがあり、その中には幻肢(マヒの場合には過剰肢といったりします)の痛みが混じっているようです。

幻肢痛も切断してから、何ヶ月、何年後に起こってきます。これまでの医学の教科書には、幻肢は小児には幻肢はなく、成人の幻肢も数ヶ月程度でなくなり、痛みも起こらなくなると書いてあることが多かったのですが、最近の調査では実際には切断後何年も立っても幻肢や幻肢痛が続いている人が相当数あることが分かってきています。

幻肢痛の原因はまだ分かっていません。痛みは神経の切断後に脳に起こる変化が原因であるという説と、神経の断端からの刺激が脳に伝わって痛みを起こすのだという説や、心理的原因説などです。どっちの説にももっともなところと、おかしいところがあり、まだ決着がついていません。実際には、起こっている断端の痛みが、幻肢痛なのか、断端神経腫の痛みなのかさえ、判断がつきかねる場合すらあります。

[幻肢痛の治療法]

幻肢痛には一般の痛み止めは効果がありません。鬱病の薬の中で、幻肢痛に効果のあるものがありますが、必ず効くわけではありません。幻肢痛は義肢をよく使っている人に少なく、使っていない人に多い傾向があるようです。また下肢の切断者よりも上肢の切断者のほうが、幻肢痛で悩んでいる人が多く、心理的な影響が大きいので、心理療法が行われるときもあります。

最近の研究では、2種類の麻酔薬を混合して皮下注射や静脈注射を1週間から2ヶ月続けて、全員(4例)の幻肢痛が消失したという報告があります。パーキンソン病の薬がよく効いたという報告もあります(1例)。また脳に磁気(磁石からの磁力)をあてる方法も、ごく最近には試みられています。

以上いろいろと書きましたが、断端神経腫も幻肢痛も、これをしたら全部の人がよくなるという治療は、残念ながらまだありません。一人一人の症状を詳しく調べて、その人に最適な方法を探すのが、現時点でもっとも賢い方法だろうと思います。というわけで、幻肢痛や断端神経腫でお苦しみの方は専門医(川村の考えでは、切断者を多く診ている整形外科医やリハビリテーション医)にまず診てもらい、必要なら新しい治療法を行っている専門医に紹介してもらうのがよいように思います。
以上です。
さらに個人的な質問がある方は、川村のメイルアドレスに直接質問いただいても結構です。


読者、その他の方からの回答
こんにちは、私も4年たった今でも幻肢痛らしきものはあります。
ただ、手術当初から一年ほどは痛み昼夜問わずありましたね。

それで一時は「アンペック」というモルヒネの混ざった座薬を挿してしのぎましたが、今はかなり和らぎましたね。ただ、やはりまだ足の指やかかとが存在するような感覚があって痛とまではいかなくてもそういった幻肢がありますね。でもまぁ、それも最近はなれてしまって気にならなくなりましたよ。医師に聞くと切断寸前の痛みが大きいと後々痛みが長いようなこと言ってましたが、私の場合、足の血行障害を起こして腐ってきてまして、手術直前まで痛みで七転八倒してまして手術後もすぐには痛みがとれず悩みましたよ。

退院してきて、同じく事故で片足を失った方にお会いして幻肢痛について聞きましたところ1年半ぐらいで消失したそうです。

痛みはいつまで続くのかというと、時期については人それぞれですが躰が回復するにつれてやがて無くなるのではないかと思うんですが。

義足を履いて歩くこと自体、こんなもので歩けるのかと当初落ち込んでいましたが、今はそれにもなれて訓練次第ではとても快適です。

今や手術して救って下さった医療関係者に感謝してます。

○○さん 始めまして ◇◇と申します

私も大腿切断でもう5年経過しますが、まだ、時に幻肢痛に見舞われる事も有ります。個人差が大きいようですが、時間の経過と共に、痛みの強さも、痛んでいる時間も短くなります。

切断前に痛みが強かった部分ほど、痛みが長時間続いた部分程幻肢痛は出易いようですが、いずれ軽減します。

それまでの間、鎮痛には普通の鎮痛剤は余り効果が無く、抗うつ作用のあるトランキライザーの屯用が効果があるようです。痛みの軽減と共に薬用量を減らせば良いでしょう。

主治医の先生と良く相談される事が一番でしょう。

○○さん、初めまして。◇◇と申します。
参考までに私の体験を書かせていただきます。

手術後に微量のモルヒネを背骨の近くに持続注入していたので、ほとんど痛みませんでした。手術から10日ほどで麻酔を止めました。その後12時間ほどで、痛みが襲ってきました。痛みで熟睡できない日が何日か続きました。強い痛みは、手術後1ヶ月ほどを境に沈静化の方向に向かい、1ヶ月半ほどで、ほとんど感じなくなってきたと記憶しています。

手術後2年になりますが、まれに痛むことがありますが、大したものではありません。また、大腿切断した方を何人か知っていますが、幻肢痛でたまらないと訴えている方は居ませんので、必ず治まると信じてください。

余談です(^^)
健常者の方々に幻肢痛をわかりやすく説明すると、正座を長時間して脹ら脛から足先までがじんじん痛むのをもっと強くしたような感じです。足が無いのに、足が痛む感じがするのです。

幻肢痛についてですが
私の経験をいいますと(1年ほど前、交通事故で左足大腿切断)リハビリをしていた頃、毎朝起きる時、幻肢痛がひどかったように思います。

たぶん、筋肉がツッパッたようになっていたのでしょう。
最初は断端部の力のコントロールがきかなかったというか力の使い方が分らないんですね。
朝起きた時の痛みが、断端の筋肉のせいかなと思って、そこの筋肉をリラックスするよう勤めたら徐々になくなりました。

例えば、私の場合は交通事故だったこともあるんでしょうが幻肢痛は2月も過ぎるとなくなってきました。
ただし、幻肢はいまだに感じます。
義足に慣れるにつれ、その回数は非常に少なくなりましたが未だに時々、切断部のどこかが痒くなったりします。

ただ、他のアドバイスにもあったように精神面の影響は大きいように思います。
義足で早く社会復帰してガンバロウと思っている時はあまり感じる事はなく、切断そのものに引きずられ気持が後ろ向きになっていると出やすいように思います。

これから病院でのリハビリが終わり、社会復帰へのリハビリがはじまることと思いますが、精神的に意味もなく落ち込んでしまう時期が少しはあると思います。
この時期が乗り切れないと、本人も廻りも大変です。
そうした時、恥ずかしがらずにとにかく病院に相談する事をお薦めします。
精神面は個人差も大きいとは思いますが、大半の人がこの時期にぶつかると思います。

この状態さえ乗り切れれば、後は比較的容易に元の生活のリズムが取り戻せると思います。
私はちょうど義足をはいて1年になりますが、今では以前の自分よりかなり成長したかなと思えることもあります。
本人の気の持ちようで、どんどん新たな道が開けると思います。

焦らず、がんばってください!

さてさて、幻肢痛ですが、私は未だにあります。
そんなに頻繁ではないですが、足を酷使した時には出現!しますね〜。
しかし、これは神経がぴりっときた痛みであり、幻肢痛といってよいのかわかりません!?

右大腿部切断して、かれこれ13年経過したにも関わらずです。
私の場合は、ひどい痛みに2年ほど悩まされました。
まぁ、18歳のうら若き乙女時代に切断してしまったもので、ヒステリー状態にあったのでしょうね。

確かに精神的な部分によるところもあるかと思いますが、私の場合は骨形成手術が困難でしたので、皮膚のすぐ下が骨という悪条件でしたから、ヤムを得ないらしいです。
医者に相談したら、「み〜んな同じだぁ」と軽く一笑されてしまいました。

とりあえず生活には支障はないですから御安心を(^0^)/

‘み〜んな同じだぁ’という無責任ともとれるこの言葉に私はずっと救われてきましたよ。時が解決してくますよ!

はじめまして、「○△◇」といいます。
私は右大腿切断から1年9ヶ月程経ちます。
切断当初は、ひどい幻肢痛に悩まされ、かなり悩まされました。
当時のことは、やはり痛み止めで投入されたモルヒネ系の注射でよく覚えていませんが、私の場合は、痛みがある程度軽減したところで担当医からそろそろ薬は控えた方がいいと言われ、その日からピタリと注射を頼まいようにして我慢していたら、段々遠のいていきました。

現在も時々幻肢痛はありますが、痛い瞬間だけウッとなる程度で以前ほど痛くはありません。私の場合、アルコールを摂取すると、かなりの確率でちょっとした幻肢痛が発生します。

幻肢は今でもあります。人にもよりますが、私の場合は窮屈な靴を履いて感覚が鈍ったような感じですね。これも最初はかなり悩まされましたが、段々感じることが少なくなったことと慣れでかなり楽になりました。

幻肢や幻肢痛については、皆さん同じ意見だと思いますが、人によってかなり違いはあると思います。ただ、ある程度まで痛みが軽減してきたら、後は気の持ちようで何とかなると思います。
気持ちをらくーに持って長い目で見てみると、いいかも(^_^)

それから、痛いからと言ってモルヒネ系の注射に頼るのはあまりお勧めできません。私の場合、一時麻薬系の中毒症状になり、精神科のDrに見てもらったこともあります。ただ、これは本人はあまり自覚症状がありませんから、身の回りの世話をしてくださる身内の方などにお願いして、よく観察してもらっておいたほうがよいでしょう。
(家族以外の他人が来た時は、正気に見えるように振舞っていたらしいので…記憶にないんですけど)^_^;

今はすっかり中毒症状も治り、(あたりまえか^_^)家庭内では笑い話になっていますが…何しろ本人は記憶に無いので困ります。

幻肢痛は切断した当初よりは月日が経つごとに弱まりましたが、雨の日や湿度が高い日に、たまーにびりびりと電気が通るような痛みがあります。無い足の指に。
切断したすぐは、脳がまだ、足があると勘違いしてるのか無い足で立とうとしたり、寝てるときに見る夢で走っていたりとかしましたが、それは十数年経つとなくなりました。


質問者から
みなさん、ご親切なレス本当にありがとうございました。
とってもご丁寧に教えていただき感謝の言葉が言い尽くせないです。本人にさっそくみなさんのお言葉を伝えて、一日も回復できるように励みになるはずです。

最初は薬を注射していたのですが、主治医より「頼ってしまうのでよくない」と使用しなくなりました。そのためこれからは痛みと向き合っていくことで治すしかないそうです。

私の身内は、左足の動脈に血栓が出来てしまい、歩く事も出来ないぐらいの激痛が突然起こり、入院してすぐに切断手術を行いました。鈍さんのお話の通り、幻肢痛は長く続くのかもしれないですね。

本人が言うには、病院のベットの上でじっとしていると、足のことばかり気になって、かゆみや痛みが止まらなくてどうしようもないのですが、リハビリや、お見舞に来られた方々とおしゃべりしているときは痛みは全然無いのだそうです。

きっと治る事を信じて、これから新しい足と長い間付き合っていく事になりますので、家族一同がんばっていきます。

最後にみなさんご親切にご対応いただきありがとうございました。またお邪魔させていただきます。

こんばんわ。
幻肢痛についてみなさんからとても親切なご回答をたくさん頂いてありがとうございました。今日、やっと退院となりました。2ヶ月ぶりに帰ってこれてほっとしているようです。

現在は足に布をまきつけて、義足をはめた後に小さな穴から布を引っ張り出すというやり方の義足を使っています。引っ張り出すのに下手をすると30分以上かかります。思いっきり力をこめて引っ張らないと布が出てこないので、ビリビリやぶけて大変です・・・・。力加減がまずいのかな?

これから色々大変だなと思いますが、がんばっていきます。

ありがとうございます。幻肢痛は相変わらずなんですが、弱音も吐かず、がんばっています。私達家族が逆に励まされているようになってますので、きっと早く元気になってくれると思います。