義足による傷の痛みとその対策について
夢人島メーリングリストや掲示板にたびたび寄せられる投稿の一つに、表題の問題があります。このことについては、その要因も対策も様々なものが考えられます。

ここでは、読者各位から投稿された個人的な対策について、その内容の概略を転載しますから、読者各位の判断で対策の参考になさってください。なお、医薬品については「副作用があるもの」と考えていただき、素人判断なさらず、医師、薬剤師と、ソケット等については担当の義肢装具士と相談されることをお奨めします。

ソケット シロシーツ・ライナー 絆創膏類 医薬品

ソケット
義足においてもっとも重要な部分で、適切な処方と適合したソケットである限り、痛くなったり傷が出来ないのが普通で、これによって義足の優劣が決まってしまうとさえ言われています。
Aさんの投稿
太腿切断です。私も内股の擦り傷対策として、絆創膏を貼っていましたが、こすれて糊が別の部分に付いて、今度はその部分がこすれて擦り傷が大きくなることがありました。

身体を慣らすのは難しいですね。ソケットの痛みが出る部分を広げてもらうしかないと思います。私は内股と座骨レベルを思いっきり下げて、物理的に当たらないようにしています。

私のソケットはどこの骨にも乗らず、断端全体の抵抗で吸着しています。これで別に問題ありません。
Bさん(下腿切断)の投稿
今年になって交換したソケットが合ったのか、長時間歩いても傷が入りません(^o^)

そこで、最近散歩を楽しんでます。
先日の休みも、景色のいい山の農道を歩いてきました・・。
やっと春らしくなった山の土手には、ふきのとうにまんさくの花が咲いていてポカポカの春を満喫!!
それに、この辺でも珍しい”りす”と遭遇・・・。
山の頂き付近ではハングライダ−が気持ちよさそうに空の散歩を楽しんでました・・。
ああ春だな・・と感じた一日。
Cさん(大腿切断)の投稿
Bさん、ここのところ足のほうは調子が宜しいようですね。40分歩けるんですから、とりあえず心配ないですね。私のほうと言えば、ソケットが合わなくなってきていて、10分程度歩くと傷ができるような感じです。

大腿骨の先端が内側からソケットに当たる感じで、挟まれた皮膚の皮が剥けてしまうような状況です。手当てしないとまともに歩けないぞ!
Dさんの投稿
私は、左足大腿切断です。義足を使用するようになって1年半です。

私はソケットを四辺形からIRC(坐骨収納式)の形状のものに変えた後、内股の付け根にできる傷ができなくなりました。

この形状のソケットを進めていただいた先生からも、ちょうどそこの部分のキズができなくなるよ。と言われていたのでしたがその通りでした。

ただ、相性が大切な部分なので、その他、使う素材などいろいろとソケットの仕様を検討する必要はあると思います。
Eさんの投稿
右足大腿義足です。
付け根の傷は自分はそれほどでもないです。
ソケットは吸着式ですか? 自分も足の(ソケットのあたるところから皮膚移植のため)吸着式付けれなくてIceross トランフェモラルを着けるタイプの 義足を着けています。ソケット自体も違いますが、肌にあまり負担が無いため 傷もつきずらいです。

あと、坐骨のところ以外の痛いところは 義肢装具担当の方で広げてもらったり、削ったり、切り落としてもらいました。断端の長さにもよりますが、「坐骨以外なら、多少なら切り落としてもいい」と、自分の義肢担当者は言っていましたので、担当の義肢装具士に相談されるとよいと思います。
Fさん(大腿切断)の投稿
私も断端の傷にはずーっと悩まされて来ました。

絆創膏(適当な長さに切れるもの)を毎日貼ってたのですが、粘着力が強いと皮膚がかぶれたりしてしまい、また、傷がひどくなると絆創膏だけでは弱いので、ガーゼを当てて、肌に優しいとされる布テープを貼ってました。でも、ガーゼも厚すぎるとソケットのフィット感が悪くなってダメなんですよね。

でも、2年ほど前にソケットを作り直してから、絆創膏生活とはおさらばしたんです。ほとんど傷が出来なくなりました。

私の場合は、ピッタリ合ったソケットを作ってもらったことで傷問題は解決しました。
それでも歩きすぎると傷ができることもあるので、そういうときは従前のようにガーゼと布テープを利用してます。
あと、義足を脱いだ後に毎回ソケットと断端を綺麗に消毒すること。これも傷の状態をよくするには大切だと思います。

義足をつける角度、も良く分かります! 朝起きて足をつけたとき、一発でジャストフィットしたらすっごく気分いいです。「これだ!」と思う装着感が得られるまで何度も付け直さなきゃいけない時は朝からいらいらしますね。
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シロシーツ・ライナー
Gさん(下腿切断)の投稿
断端袋「シロシーツ」はアメリカ製で薄手のソックスに、表裏シリコンを塗布したもので、自分は断端にかかる負担も軽減し、傷もできなくなりました。
臼井義肢装具士の投稿
たしか夢人島の中にも新素材として載っていたと思います。
製造元はアメリカのシリポス社で日本語解説ではサイロシースと書いてありますが僕たちはシロシーツと呼んでいます。理由は言いやすいからです。

素材はシリコンではなくシリポスゲルというオリジナル素材のようです。最近では従来の綿や化繊の断端袋(下腿切断や大腿切断の差し込み式、吸着とは違う高齢者に多いいタイプ)にかわって直接断端にかぶせるいろいろな(ライナー)が登場しています。シリコン材であったりウレタン材であったり、、。商品名もアイスロスシリコンライナー、アルファライナー、ラグジュアリーライナーなどと多種多様で作り手の僕たちも戸惑うほどです。 
これらを総称して ★(ゲルライナー) と最近では言うようになりました。ですからゲルライナーの中のシリポスゲルでできたシロシーツという訳です。

さてシロシーツですがうちの(鉄道弘済会身障センター)場合はほとんど下腿切断の方が断端袋がわりに利用しています。ソケットが合わなくなってキズが出来やすい時やスポーツ時に利用してます。それでも利用者は下腿切断者の5パーセント程度かな。装着が簡単で値段の安い断端袋(470円)で済めばそれが何よりですから。(シロシーツは7000円前後します、そのうえ公費認可されてないので現金扱いです。)

そうは言ってもゲルライナーの中では廉価なほうなので普段ソケットが調子いいけど長く歩いたりスポーツしたりすると、キズが出来やすい方は担当の義肢装具士に相談して下さい。そしてぜひ現物を体験させてもらって(サイズも10種類ありますから)それから利用を考えて下さい。
Hさんの投稿
今年の初めに、初めてアイスロスの下腿義足を使用しています。
最初は、締め付けられて痛くて、外す時に火傷の皮膚がめくれたりと・・・・
2ヶ月ぐらいして、やっと馴染みました。
今は、前の義足の倍以上の距離を歩いても、痛みも傷も出来ない事に感動しています。
Iさん(下腿切断)の投稿
私はアイスロスを使って一年が過ぎました。最初汗は驚くほど出ましたね。コップについで飲めるほど出ました(笑)それもすぐに出なくなりましたよ。

ただ長時間履いているとどうしてもしっとり出ますね。個人差はあると思うのですが、その汗が原因で皮膚がふやけて荒れてかゆくて爛れたりするのが辛いですね。。装具士さんの薦めで膝から上に綿の生地でできた袋を履いた上にアイスロスを装着してます。

私は建築関係で一日現場で肉体労働をしていますがアイスロスにしてからは大きな傷はできなくなりましたし、PTB式の義足にはもう戻れないですね。
Jさんの投稿
私は大腿切断ではないので、参考になるかどうかわかりませんが、私なりの経験を言わせていただきますね。

下腿切断となって6年がたちますが、私も○○さん同様、傷にずっと悩まされてきました。

もともと皮膚が弱い(ソケット装着部が皮膚移植)のと、数回の切断手術と縫合のため切断部皮膚が瘢痕化しているので、耐圧性がないのです。数人の義肢装具士の方からも、「あなたのような問題が多い人はめったにいない」といわれたほどです。

半ばあきらめていたのですが、最近、カスタムメイドのシリコンライナーを使用するようになってから傷ができにくくなりました。以前既成のシリコンライナーで試した時は、断端部のサイズが上手く適合せず、装着をあきらめましたが、カスタムメイド・シリコンライナーは、装着初めこそ違和感を感じましたが、時間の経過と共に装着感が良くなり、今では多少無理をして歩いても傷が出来なくなりましたよ。

異素材で出来た2タイプのカスタム・メイドシリコンライナーを使用していますが、どちらも断端部皮膚に適合しているようです。断端部サイズの差異はたとえ微小でも、傷の出来具合に大きな影響を与えるようですよ。
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絆創膏類
Kさんの投稿
私は太腿中程から切断の男性なのですが、内股に擦り傷ができてしまいます。ソケットを新調してもです。身体が慣れる必要もあるのですが、こればかりはなかなか難しいですね?

既にされてる方も多いと思いますが、私が行っている対策は、傷ができやすい個所に(私の場合はキン○マの横あたり)にばんそうこうの大きなものを張ってます。

スパッツもトライしましたが、義足のソケットの吸着性が悪く(空気が入るため)、断念しました。

傷ができる個所は、切断個所・生活習慣により異なりますが、安価な対応としては十分かと思います。

お風呂に入る以外は2日間ほどは、何もせず大丈夫です。家に帰って義足を脱ぐまでは、何もする必要はありません。それまでは一日2・3回、会社で義足の履き替えをしてました。

ただしばんそうこうでの肌荒れなどは発生しますけどね・・・。私はお肌が柔なので、薬も塗ってます。
Lさんの投稿
ケアリーブはよさそうですね。

私の場合、単なる擦れだけではなく、傷に体重が掛かっていたので痛さ加減も相当でした。足の裏の皮が剥けたのに歩いているようなもので、1歩で1回確実に痛い というのは精神的にも堪えました。絆創膏も2重3重で、いよいよというときはガーゼを当てた上から糸引き梱包用ガムテープで内股を堅めましたが、帰宅後ガーゼに血がにじんでいるような状態でした。
宝亭鈍騎の注釈
http://www.nichiban.co.jp/medical/newgoods/careleaves.html
ケアリーブのサイト(2003年2月12日現在のリンク)
ケアリーブの発売元は、ニチバンです。
Mさんの投稿
ええっと、わてが今断端の擦り傷防止に使っているのは、BAND−AIDの「JUMBO」と「ケアリーブ」って言う、BAND−AIDのようなものを併用してます。

義足のソケット上端部分が、内股に強くあたるので、擦り傷ができるんですよねぇ〜。。。

「ケアリーブ」の優れているところは、外したときに粘着材が肌に残らないことです。一時期、「ケアリーブ」7枚装着なんてこともしてましたが、手間がかかるので、止めました。

さらに上から、モビラートを塗るということで、滑りやすくし、擦り傷を防止しています。風呂に入らない前提なら、モビラートの再塗布だけで3日は過ごせます。

「おめぇ〜、汚いぞ!」ってか?まぁ、まぁ。。。(^_^;)
Nさん(大腿切断)の投稿
とりあえずコンピード試用レポートです。
あれは良いです。

傷もできませんし、2日ははがれませんでした。私の場合、3日目にやはりあの二つ折りになるところから浮いてきてしまいましたが。

そうそう、二つ折りになる部分はやはり、しっかりと折り目がついてしまいましたが、皮膚はしっかりとガードしており、コンピード自体が浮いて二つ折りになったものの、今まで皮膚が受けていた痛みをこんピー君が、代わりに引き受けてくれたという感があります。

まだ一度しか試用していないので、なんとも言えないのですが、こんピー君自体、皮膚に近い粘着性を持っており、ソケットへの吸着率も非常によいです。特に私のようなケロイド体質で月の表面のような固いクレーター皮膚には一石二鳥です。

この二日間私は義足を朝から晩まで一度も履き直しませんでした。
義足側が調子がよいので、左足への負担も軽くなり、むくみも少なく、仕事が終わっても余力があります。

これ、すごいです。(今のところ…)

しばらく試し続けてみようと思います!
入手先を教えていただけると幸いです。
宝亭鈍騎の注釈
http://www.sony.co.jp/soj/etc/sec/sportscare/skincare/
コンピードのサイト(2003年2月12日現在のリンク)

某社からサンプルを多量にいただいた後、行方しれずになっていましたが、現在「コンピード(Compeed)」の発売元は、ジョンソン&ジョンソンです。大きな薬局へ行けば4枚入りで700円前後で入手できます。
「レギュラーサイズ」と言って、お求め下さい。
Nさん(大腿切断)の再投稿
さてさて、鈍さんへ改めてお礼とご報告です。

やっぱり、コンピー君、すごいですよ。何ていうのか、人工皮膚みたい。
あれから試し続けていますが、傷は一切できていませんし、義足もかなり外れにくいのです。
あえて難を言えば、コンピー君が数日たって外れてくると、その粘着部分が履いているうちに、ソケットに貼り付いてしまう事かなぁ。

しかし、義足を履くときにそこはしっかりチェックして、はがれかけている部分だけ、はさみで切り取ったり、それこそその部分だけなら防水テープで、補強すれば問題はありません。

これ、いいよ〜!!
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医薬品
Oさんの投稿
なお、後者の擦り傷については、ばんそうこうの大きいものでごまかしてましたが、これは、肌荒れや皮膚が反対に負けるのと、コストが高く、やってられませんでした。

そこで使ってみたのが「モビラート」っていう塗り薬です。
これは、肌荒れもせず、義足などでの擦り傷、冬場の皮膚が乾燥しているときでも20時間ほどは全然大丈夫でした。
もちろん、後遺症など一切なし。

それでも駄目なら、それはソケットが悪いでやんす!
採型し直してもらって、作り直さないと駄目でしょう。
とくに切断初期の患者の場合、断端の熟成が進み、形状が変化することが多いのです。

ですから、義足等を装着する切断者は、ウエイトコントロールと自分の体系の維持に努める必要があるのですよ?
Pさんの投稿
昨日病院へ行った時に、聞いたところ、やはり○○さんが言っておられた「モビラート」が正解?でした。(^^)
(キャワイイナースには出会えませんでした(T T))

効能についても調べていただき、筋肉痛にも皮膚等の炎症を抑えることもできるようでした。
とりあえず、リハ室に常備?されていたモノを使わせていただいたところ、確かにいつもよりも赤くなり痛くなるのが遅かったです。
来週始めにでも、入手したいと思います。(^^)
宝亭鈍騎の注釈
モビラートは褥瘡の治療薬としても使われるようです。
http://mid.cc.kumamoto-u.ac.jp/data.php?record=1357400
詳細はここ↑。(2003年2月12日現在のリンク)
Qさんの投稿
そんな中、いろいろな対処法を考えてきたのですが、傷は確かにどうしようもないです。もうすぐ義足となって1年になるのですが、未だにできちゃいます。

ただ、私のおすすめは、痛くなったらとにかくボラギノール!!
これに限ります。
これは、ソケットと皮膚とが擦れてできる傷には抜群の効果を上げます。ちょうど、機械に油をさすというか、エンジンの潤滑油というか、とにかく試してみたらいかがでしょう。

それと、会社での慣れるまでの対処法として、おすすめ
1. 応接室・更衣室・会議室といった個室を義足のために優先的に使わせてもらう!使い方として、例えば、痛くなった時、義足を外して足を休ませたり薬を塗ったり等、ずうずうしかろうが何だろうが痛いまま仕事を続けるのはバカらしいです。
2. 義足屋さんへは身障者ということで勤務中でも自由に出かける権利をもらう!これは、会社の理解が必要ですが相談の価値はあります。義足の調子は良くて当たりまえ。調子悪かったら、すぐに義足屋。時間を惜しんでも調子悪いままでいい仕事はできません!この2点を出勤の際、交渉してみてはいかがでしょう。
落ち着くまでは、大変かもしれませんが、私の場合、だいたい1年目で、会社で義足のハンデを感じる事はなくなりました。
それと、AM3時頃まで仕事しても平気になっちゃいました。

とにかく1年がひとつのメドになるのではないでしょうか。
がんばれー!!
Rさんの投稿
ところで、○○さん「ボラギノール」ってもしかして、あの「痔に〜はボラギノォ〜ル♪」のボラギノールですか?(^^)
ん〜ちょっと試すのに勇気がいりそうな…しかし、背に腹はかえられず状態なので、こちらも折を見て試したいと思います。
貴重な情報を有難うございました。m(_ _)m
Sさんの投稿
もしかして・・・
けっこう恥ずかしいのかな・・・・・

実は、何も知らずに使っていた私は去年の夏、仕事で外出し、蚊に10ケ所以上さされあまりの痒さについつい・・・
ううん、これから先はちょっと言いずらいのですが手に塗っちゃって・・・効くかなあと思って。
会社で話したら、疑わしそうに「ホントに義足で使ってるの?」とか「ボラちゃん」てからかわれて・・・

○○さん。もし使うならナイショで使うのが鉄則かも・・
宝亭鈍騎の投稿と注釈
ボラギノールA注入軟膏とは、炎症をおさえる酢酸プレドニゾロンなど、痔に有効な4種の成分が総合的にはたらいて、痔による痛み・出血・はれ・かゆみの症状にすぐれた効果をあらわします。また、なめらかですべりのよい油脂性基剤を使用した、患部へ塗りやすい痔疾用軟膏です。というのは、受け売りですが、しかし、(@_@) 意外なものが意外なことに効くんですねぇ。

実はボラギノール、私も愛用者でして、時々使ってます。とーぜん、本来の用途に。。。。(#^o^#)
腫れが引く、痛みを押さえる、傷を癒す。そして、油脂性基剤が滑りをよくすると、確かに義足による傷治療と共通すると思います。

どなたか、薬学的な解説をしていただけませんか?
って、無理だろうなぁ。
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