小説書きのワナ

成功を目指すには先人の失敗も参考になる。
という訳で、素人小説書きが陥りやすい現象なんぞを書いておきましょう。
参考にした人物は、主に自分です(^^;

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※罠の1 設定マニア

 ファンタジー書きに特に問題なのがこれ。主人公の活躍する世界を設定していくうちに
だんだんとそれが細部まで凝るようになり、ついには収集がつかないほどの
壮大詳細なものになってしまい、どうやって小説にそれを出そうかと苦悩するという
ほとんど病気に近いものがあります。

 第3者から見れば、裏設定なんて一般メディアに載るような小説でなければ
他の読者と共感できる価値は薄いからそんなに興味はないんですけどね。
でも作っている当の本人は凄く楽しいんですわ。

 私も、世界の始まりから終わりまで続く壮大なファンタジーを設定したあげく
細部にまで凝り始めて、ロバの走る速さから隣町までの距離と時間を算出しようと
計算してる時にやっと「何やってんだ、俺!?」と気づいて事無きを得ましたが(笑)


※罠の2 無間地獄

 書いても書いても終わらない。それが無限地獄。
行き当たりばったりで話を進めていくうちにだんだんと収集がつかなくなってしまい
終わらせようがないけど、続けるにも気力が萎えてきて
尻すぼみな状態で終わるか、中途半端に途絶えてしまうという
読む側にとっては続きが気になって、とても困ったものがこれです。

問題は商業ベースでこれをやる作家と商業誌が度々ある事ですね(怒)


※罠の3 取り返しのつかない矛盾

 誤字脱字ならまだしも、物語の重要な部分に関る核心に
最大の矛盾があったらあなたはどうします?

書いてる途中なので今さら変更も効かず、かといって
そのままにする訳にもいかない。
矛盾を含めたままどうにかして「実は○○だった!」という
裏設定を作り出そうと必死になる。こじつけた裏設定で
更にそれが矛盾を生んで収集つかなくなり・・・・・いやぁ恐いですねぇ(^^;

 こういうのは、普段まったく判らないのに「なんであの時、あいつはああ行動しなかったんだ?」
の一言で物語自体が破壊されてしまうのがよくあります。くわばらくわばら。


※罠の4 ハンドルのきかない路線

 最初に書きたかったのと違ってきてしまい、どんどんと話自体が一人歩きを始めてしまう。
そんな事は誰しもある。と、思いたい(笑)

 思っていたのと食い違ってきてしまうのは、最初に大まかな話の流れを
決めておかなかったりするからなのですが、逆にプロットを決めた事で
それに縛られて書きにくくなる時もあるから難しいところです。

これを逆手にとって『即興小説』的に
「これからどう話が進むか?それは作者にも判らない。」
という方法も無きにしもあらずですが。
うっかりすると無限地獄矛盾が待っていますのでお気をつけを。


※罠の5 事実と違う嘘

 これは作者の知識と記憶によるものが多いのですが
矛盾ではなく、現実と違う嘘を場面に出してしまうという事があります。

場面重視のために、判っていてわざとやってるならいいのですが
大抵、発表してから気づいて、慌てたけど時すでに遅し。
になるんですやね(^^;

 ちなみに、私も小説の中で嘘言ってます。

「卵巣ホルモン系の催淫薬」
 嘘です。そんなものありません。正しくは「卵胞ホルモン」です。
でも、こっちの呼び名のほうが淫靡なのでそうしました。

「イきそうになる代わりにおしっこが出る」
 女性はイきそうになると、逆におしっこは引っ込むそうです。
これは知りませんでした。すみませんm(_ _)m
そういや射精しそうな時に、尿意はないもんなぁ・・・
これは、幸子だけの体質としておきましょう(^^;


※罠の6 アイデアが出ない!

 締め切り期限付きで書いている時、これだという設定や終結が
思いつかなくて困る時があります。作家さんでいう神様待ちな状態ですね。

 一旦素晴らしいアイデアが出れば、憑き物が憑いたようにバリバリ書く事ができるんですけど
それがなかなか来ないまま、ただ悪戯に時は過ぎていく、という精神的に悪い状況であります。


※罠の7 書けない!

 アイデアが出ないよりやっかいですなぁ。下書きもできた。書く内容も決まっている。
でも書く気になれないという、もうおしまいな状態。おっと、もちろん私じゃないです。大丈夫ですよ。

でも突発的にやる気無しモードになるのは誰にでも・・・・・あるよね?ね?ね?(汗)
まぁ、それでもすぐ復活するんですけど。
でもその最中はたとえ書いてみても満足する文章が出ない状態だから
休筆状態と言っても間違いないです。執筆脳が寝ているんかいな?

こういう時は気晴らしに小説とは全く関係ない事を思いっきりしてみるといいんですよね。
そうすればそのうち筆が恋しくなって書きたくなりますから。


※罠の8 堂々めぐりの推敲

 無間ループで進まない状態の一つに、単語の使い方で悩みすぎるのがあります。
あーでもない、こーでもないと表現の仕方を色々変えてみて、結局一番最初の文と
ほとんど変わらない状態に戻ったりして、かなりの時間を無駄にしてしまうのです。困ったもんだ( ̄〜 ̄)

紙の上だと修正は制限されるのですが、いくらでも書き直しのきくワープロのせいで
いくらでも悩んでいられるようになったのが問題ですね。

まだ自分としての文が固まっていないせいでもあるんでしょうけど。
これだ!という文列が決まるまで時間をかけてしまう癖は、まだ当分続きそうです。


※罠の9 はっ!資料読みふけってた!

 大掃除なんかにもよくある話。小説に使う資料を探してあちこち見ていくうちに
ついつい読むのに夢中になって、気づけばかなりの時間が経過・・・(大汗)

いい気分転換になって逆にラッキーな場合もありますが
肝心の小説が一切進まなくなるのが大きな欠点です。


※罠の10 時間が欲しい今日このごろ

 やる気もネタもあるんだけれど〜、肝心の書く時間が無いんですぅ。
とゆーのが素人小説書きにある姿。それで食ってる訳じゃないんだもんね。

仕事が終わった後や休日に、地元の行事や付き合いをこなしながら書くんですわ。
時間が、どう考えても時間が足りない。ああ〜わしはもっと遊びたいんじゃぁ〜!(笑)

閑話休題。ともかく、色々考えてみると仕事しながら趣味で絵や文を創作するのって
己との戦いだけでなく、時間との戦いでもあるんですよね。

まだ学生小説書きさんな人はだらだらし続けて無駄に時間を潰さないようにしてください。
時間あるのは、ほんと学生のうちだけなんだぞぉ〜!


※罠の11 真実の二転三転

 罠の5に「女性はイきそうになると、逆におしっこは引っ込むそうです。」と書きましたが
もらったメールから「イきながらの放尿もある」という新事実を知りました。

仕入れ元の違いによって、情報が全く正反対になる時ってあるんですねぇ。
インターネットはどんな情報もあるかわり、それを真か偽か見分けるのは
見ている本人まかせですから難しいですな。

小説を書く時は、正しい情報を仕入れた上で書くようにしたいですね。


※罠の12 ・・・駄目だ、面白くならねぇ!

 この設定はいけるだろう、と思って書いてみると意外と面白くならない。
書いてて面白くないんだから、もちろん読む側が面白い訳がない。

文章力の問題なんですけどね。設定段階では
「おおっ、こりゃ萌え萌えじゃぁ〜!」(笑)
などと安易にマイフィーバーするのに
それがうまく表現できないのは、なんてゆーか・・・・・ああん!<(T▽T)>

ps.はい、そうです。「あにまる・ぷれい」のことです。


※罠の13 忘却の彼方へ

 なにが悲しいって、せっかく思いついたネタや言い回しを
後でメモ帳に書いておこうと思ってて、いざメモ帳を取り出した時・・・・
お、思い出せねぇ!なんて時があります。悲しいっすよね。
自分のせいでせっかくのネタを不意にしてしまうんですから。

あと、せっかくメモっていても書いたものが単純過ぎて
何を意味してたのかが判らない時もあります。

     『ウイルス』

 今、机の上にあるメモの一部です。確かに何かを
思いつんたんですが、なんの事やらさっぱり判りません。
メモはいつも携帯して、内容はしっかり取った方がいいですよ。


※罠の14 テクニックに縛られるな

 ああ〜ん、もっと縛ってぇ(馬鹿者)
アホウな冗談はともかく、これは自らへの戒めです。
テクニックに縛られすぎて肝心な心が、勢いが、魂が、込もって
いないものを書かないようにする為です。

特に勢いってのは必要ですよ。自分の下手さを理由にして
書きたいけど能力が・・・って尻込みしてちゃいつまで経っても
いい小説は書けないです。細かい作法なんていいんです。
いくら点々が正式には「…」が正しいとなってても
己が信念で「・・・」に統一してもいいんです。・・・・・だめ?(笑)

ま、修正なんざ後から幾らでも効くWEB小説なんだから
まずはテクニック無視の勢いでばーっと行っちゃいましょう。


※罠の15 「書かなきゃ!」という脅迫概念

 自分のページで連載してたり、定期的な更新をしてたりすると
しばらく休んだり、更新が遅れたりした時、やけに罪深く思える時があります。
本当はそんなに悩む必要は無いんだけど、ついつい気にしてしまうんですよね(^^;

定期的だから、連載だから書かなきゃいけない。その気持ちはわかります。
でも、切羽詰って書かれた文章って、よほど慣れた人で無い限り
よく練られてないガサついた文章になってしまうんですよね。

もちろん例外はありますよ。プロの場合、追い詰められた時に本領を発揮するという
いわゆる「締めきり前が一番能率良い」現象があるんですけど
一般人がそんな能力発揮できるわけがありません。
しょせん素人です、これでメシ食ってるわけじゃないですし。

楽しむために文章書いてるのに、それで苦しんでばっかりなら本末転倒。
書かなきゃ!、って肩をこわばらせてないでもっと気軽にいきましょう(^^)


※罠の16 名前一つに四苦八苦

 全体のストーリーや、盛り上げるシーンより苦労するものの一つに
主人公や脇役の 「名前」があります。「か」をつけるか?「り」ならどうだ?
「さ」はもう出てる人物と重複するから控えよう、などなど・・・
響きがいいのを探したり、漢字に良いのが無くて駄目だったりで
名前一つに1時間考えたあげく、翌日ボツにしたりとかよくあるんです。

これも自分のことですが、健一郎の苗字「桐ノ宮」が決定するまでに
ざっと1週間以上悩みました(笑) このシリーズの苗字の法則を決めてから
お固くて、高級そうで、上流階級にありそうな漢字三文字ひらがな5文字を条件に
漢和辞典を引っ張り出して、うんうん唸ってたんです。馬鹿ですね、ほんと(笑)

でも、そこまでこだわるのはそれだけ自分が生み出したキャラを
気に入ってるからなんですよね(^^)

ま、それでも偶然思いついた名前がピッタリで、ストンと当てはめてしまった
なんてケースもありますから、時間かけるばかりが重要じゃないですよ。


※罠の17 燃え尽き注意報 NEW!

ちょいと私がかかりかけてたのですが、必要以上に気張ってガーッっとやると
その後の反動で、頭でわかってても何もやる気が起きなくなってしまうという
燃え尽き現象がおきます。罠の7に書いたのよりさらに激しいやつですな。

こうなると、ちょっとやそっとじゃ回復しなくなって、そのまま消滅してしまう
なんてことも起こりうるわけで。環境のせいもあるけど、こういうことで
ぱたりと閉鎖していくページってやっぱりウェブには多いと思います。

何事もほどほどに、じっくり進むが吉、というわけですな。
じじむさい言い方ですけどね(汗)

※罠はまだまだ続く


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