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其ノ七:acg sneaker's T-shirts

前回の予告どおり、ナイキの一つのモデルに対する思い入れのようなものを象徴するウェアを紹介します。これは見てもわかるとおり、初期 acg、「エア・モワブ」のTシャツです。初期acgの靴には、モデルごとに独自の書体によるロゴマークが存在します。このTシャツの表にかかれた「AIR MOWABB」の書体は、アウトソールのソールパターンに組み込まれています。今のナイキの靴で、独自の書体によるロゴマークを持っている靴って、あるでしょうか?ドンドン出てはドンドン消えてく、そんな靴ばかりですよね。10年前の靴でも印象に残っているのに、3年前の靴はもう覚えていない。現行のナイキシューズに対して、果たして10年後でも覚えていられるでしょうか。とにかく言えるのは、当時のナイキは、ひとつのモデルに対して、10年後でも覚えているほどのインパクトをもたせることが出来た、ということでしょう。

 

そしてこれは、リバデルチTシャツ!この2色のほかにも、霜降りグレーなどがあります。バックのデザインもかっこいいですよね。そういえばジョーダンシリーズのTシャツとかも古着の世界では有名ですよね。最近のナイキTシャツの傾向として、スウォッシュをドカドカ載せることをやめましたね。いいかげん、スウォッシュが売上を伸ばす手段にはなっていないことに気づいたのでしょうか。靴からもスウォッシュの数は減って いきましたね。昔のスウォッシュはかっこよかったです。ステータスもありました。しかし、いまやスウォッシュはカッコ悪さの象徴といってもいいほどです。それは、ここ数年のスウォッシュの濫用によるものが大きいと思います。昔はサイドからヒールまで伸びる大きさの、スタンダードなデザインだったんですが、ここ数年は小さいのがちょこまかといっぱいついてて、正直うるさかった。濫用することによって、重みが無くなってしまったんですね。

私は数あるスポーツブランドの中でもナイキが一番好きです。しかし、冷静に見て、今のナイキは昔のナイキのように特別な存在ではなくなってしまいました。私でさえそう感じているので、特に思い入れが無い人なら 、なおさらナイキは特別な存在として感じてないでしょう。昔は、物を選ぶ理由として「ナイキだから」という理由でナイキを選んでいた人たちが、です。しかし、今や「ナイキだから」という言葉は聞かれなくなりました。むしろ「ナイキだから嫌だ」ということさえありうるのです。

これには流行りは終わったから、とかそういう消費者側の理由ではなく、明らかにナイキに原因があるのです。これからのナイキに期待したいですね。実際変わってきてるな、と感じられはしますが、それが誰に でも感じられるようになるにはまだまだ時間がかかるでしょう。