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セイドメイド番外 『ご主人様のごほうび』

byオゾン

 あたしが桐ノ宮邸にきて、2週間ほど経ったある日のことでした。
ご主人様が離れの図書室を整理していたので、あたしもそのお手伝いの最中です。

「ちゃんと終わったら『ごほうび』してやるからな。」
あたしの耳元でご主人さまがそっと囁きます。
「は・・・はい。」
「ははっ、ユカ、耳が真っ赤だぞ。なに考えてるんだ?」
「いえ、その・・・」
赤くなったのが恥ずかしくて、もっと真っ赤になってしまいます。
あたしが、いやらしいことを想像したのが
きっとご主人さまはわかっているんでしょう。
「じゃぁ、ハシゴから落ちない程度に頑張るんだぞ。」
ご主人様はそう言い残すと大きな辞書を抱えて歩いていきました。
多分、はりきり過ぎてケガをしないように、という意味です。
直接言うのがまだ照れくさいから、遠まわしに伝えたんだと思います。

あたしはそわそわする気持ちと体を落ち着かせるため
本の整理に集中することにしました。今から夜が楽しみです。

          ◇

「ふぁっ!あっ、また!またイっちゃうぅ!」

 岩風呂の濡れた壁にあたしの恥ずかしい声がこだましていました。
今、あたしはお風呂の中で下半身を浮かばせながらご主人様に
あそこを舐められています。お風呂に浮かびながら舐められるなんて初めてです。
口では言えないくらい恥ずかしい名前の『ごほうび』を受けています。

頭の下が痛くないようにたたんだタオルが敷いてある岩は
少し傾いたまま湯ぶねの中へ沈んでいて、あたしの胸から下もそのままお湯の中へ。
お尻がお湯の中にふわふわ浮いて、すごく開放されてる感じが気持ちいいけど
ご主人様の目の前であそこを見られてるのが、とても恥ずかしいんです。
手で隠したいけど、ご主人様は「ユカが溺れないように」って
両腕を湯ぶねのパイプに縛ってしまったので
あたしは何もできないまま、され放題になっています。

「ふぅ、はぁ、はぁ・・・」
三度目のイくのが落ち着くと、ご主人さまは舌を使うのを止めて
あたしのあそこにチュッチュッって優しくキスしてくれました。
愛されてるんだなぁっていうのが凄く実感できて
心臓が絞られるようにキューンとする感じがいつまでも続きます。

 ご主人様は普段、あそこを舐めてくれません。
舐めるのは『ごほうび』の時だけ、という約束になってます。
最初は、舐めるのが嫌いなのかな?と思っていたんですけど
でも、それは違っていました。
ご主人さまは、あたしが舐められるのが好きだというのを知ってます。
だから『ごほうび』の時は、もういいって言うまで何回でもしてくれます。
いいって言っても止めてくれないほど舐めてくれます。

約束の時にご主人様が言った
「二人の間に、決まりごとがあった方が楽しいだろ?」
の意味が最近何となく判ってきました。確かに普段してくれないぶん
『ごほうび』の時が、凄く嬉しくて気持ちいいんです。
それに、この約束のおかげでご主人さまとあたしの仲が
もっと深くなったような気もします。

して欲しいから、してあげたい。
してあげたいから、して欲しい。

難しくて良く判らないけど、言葉にすれば多分こういうことだと思います。

「あっ!やだ、また。」
あそこから唇を離して、太ももにキスしていたご主人様が
また、あたしのあそこを舐め始めました。
「も、もぉいいですよぉ、あ・・・んふ・・・・・あっ!」
「そうか?ここはもっと欲しいってヒクヒクしてるぞ。」

始めた時と同じように、舌の表面全体で優しく撫でられるたびに
あたしのあそこが勝手にきゅって反応します。
花びらがひくひく動いてるのが見られてるんだって思うと、凄く恥ずかしいです。
でも、腕を動かそうにも手首をタオルで縛られてるのでどうすることもできません。

「ふぅっ!んんぅ!」
だんだん、ご主人様の舌使いが激しくなってきました。
舌全体で愛撫しながら、時々舌先をちょっと割れ目に差し入れてきます。
もう三回もイってるのに、あたしはまた感じ始めてしまいました。

ご主人様は、舐めるのがとても上手です。
他の人に舐められたことがないので比べられませんが
されてる時は死んじゃいそうな程、気持ちいいんです。
何回イった後でもこうしてちょっとだけ責めたり焦らされたりしているうちに
いつの間にかあたしの下半身はご主人様の舌を欲しがって
むずむず動き出してしまうんです。
今だって、勝手に腰がHな振り方でくねくねしてます。もう止められません。

「はっ、ああっ!んっ、んふぅっ、ひっ!」
いやらしい下半身の望み通り、舌の攻撃がだんだんと激しくなってきました。
先っぽで細かくちろちろさせたり、花びらを唇でつまんで引っ張ったり
尖らせた舌を真ん中の穴に差し込んだかと思うと
ほんのちょっとだけクリトリスを舐めたりします。
「あぁん!やっ、ずるぅい!」
一番欲しいところなのに、少ししか舐めてくれないからとってももどかしいです。
欲しくて欲しくて、また心臓がキューンとしてしまいます。
「ずるい?どうして?」
「それは・・・その、あっ!ああっ!」
答えを言わないうちに、今度はちゅうっと吸われてしまいました。
「こんなに『ごほうび』をあげてるのに、ずるいは無いだろ?」
「は、はひ・・・申し訳ありま・・・せん、んっ!」

舌の攻めがますます容赦無くなってきました。
もうなんて言うか、舐めるんじゃなくて、その、ほじるような感じです。
あたしの割れ目の中をご主人様が舌でほじっているんです。
花びらのひだひだを丁寧になぞったり、穴の入り口をぐるぐるかき回したり
前と後ろの穴の間をつついたりされるんです。
「あっ、ああっ!ひっ!ああああっ!」
大きな声がお風呂場に響いて、とても恥ずかしいんだけど
両手を縛られて口を塞げないから止まりません。

これがベッドならシーツを足で蹴ってずり上がれるのに
お風呂の中だからいくら蹴ってもパシャパシャお湯が跳ねるだけです。
腰をひねっても、お尻をぎゅってわし掴みにされてるから
逃げようとしても逃げられません。ほじられ放題にされてます。

「いっ!あっ、いいっ!イきそぉ!」
また、足の先がしびれるような感じがしてきました。
おしっこが出そうな、せっぱ詰まったような感じが
下半身が浮いてて他の感覚が無いぶん、はっきりわかります。
やっぱりこの格好は普通より感じるみたいです。

「だぁめ。まだだよ。」
「やだぁ!焦らしちゃヤぁ!いっ、あっ!イかせてぇ!」
もぅ何度もイったはずなのに、もっと欲しくて仕方ありませんでした。
「我慢できないのか?ユカはエッチだなぁ。」
「ああぅ・・・・・」
エッチな体になったのは、ご主人様のせいなのに。
でも、恥ずかしくて何も言い返せません。

「言ってごらん。どうされたいんだい?」
Hの最中に、あたしはいつも恥ずかしい言葉を口にさせられます。
ご主人様はそういうのが好きみたいです。
とても恥ずかしいんだけど、どんなに抵抗してみても
必ず最後には言わされてしまいます。
「あっ、その、クリトリスに・・・・してぇ。」
「何を?」
「あぅぅ、い、意地悪ぅ!」
「ほら、何をして欲しいんだい?」
「んふぅぅ!」
ごほうびのはずなのに意地悪されるのは、ちょっと不満なんだけど
なんだか最近ご主人様の意地悪が嬉しく思えるのは、あたしの気のせいでしょうか。

「ほらぁ、いつまで我慢する気だ?」
「はくっ!」
ご主人様がいきなりあたしの奥にずぶって指を入れてきました。
「ほら、ほら・・・・」
二本の指で上下に揺すられて、お湯に浮いているあたしのあそこが
ちゃぷちゃぷと浮いたり沈んだりを繰り返します。
「やぁんオモチャにしないでぇ!」
「オモチャが嫌だったら素直に言ってごらん?」
どんなに恥ずかしくても、やっぱりご主人様には勝てません。
抵抗するほど、もっと恥ずかしいことをされてしまいます。
「あんん・・・クリ、クリトリスを・・・」
「クリトリスを?」
「クリトリスのつ、つぼみを、舌でほじって・・・・・下さい。」

ただ、「舐めて下さい」と口にしても、どんな風に舐めて欲しいのか
きっと聞いてくるから、恥ずかしいけどなるべくエッチな感じに言いました。
その方がご主人様は喜んでくれて、すぐに許してくれるんです。
「ふふ、上出来だ。」
言葉通り、ご主人様がクリトリスのつぼみを掘り当てると
そのつぼみを舌で丁寧に剥いてしまいました。

「はひぃっ!ああああっ!ああああああっ!」
強烈な気持ち良さで、もう何も考えられません。
今までの恥ずかしさが帳消しになるほど幸せな気持ちになれます。
当たり前ですよね。一番好きな人に
一番気持ちいいことをされてるんですから。

「はぁん!っああ!ふぁぁ、ああっ!ひっ・・・」
お湯に浮いたあそこのクリトリスを剥かれて
直接ほじられるという、容赦無い剥き身の快楽が
息もできないほどあたしを狂わせていました。
「あっ、イくぅ!ああっ!」
足がつっちゃいそうなほど強ばってて
涙で顔がぐしょぐしょなくらい凄くいいのに
もっともっと、あたしの知らないとこまで高まっていきます。
もうどこからイってるのか、自分でも判りません。

「あ!・・・・あ!ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
真っ白な心地よさ。真っ白な光の渦。何もない白い世界に浮かびながら。
あたしはご主人様がくれる幸せに長い間包まれていました。

          ◇

「・・・・!・・・・・・!」
どこか遠くで呼ばれているような気がします。
「・・・・ユカ?ユカ!?」
意識がだんだんハッキリしてくると、あたしは裸のまま
ご主人様のベッドで寝ているのに気がつきました。
「大丈夫か?ユカ?」
おでこに冷たくて重いものを感じます。
手に取るとさっきまで頭の下に敷いてあったタオルでした。
ぼ〜っとしたまま、あたりを見回すと
ご主人様が心配そうな顔で覗きこんでいました。

どうやら、気持ち良いのに加えて
お風呂でノボせて気を失ってしまったようです。
「あ・・・・はい、大丈夫です。」
どこも悪くないのをご主人様に知らせた途端
あたしはいきなり抱き着かれてしまいました。
「ちょっ!ご主人様!?」
「よかった・・・ユカ・・・」
水びたしの体がちょっと冷たかったけど、それは体を拭かなかった証拠です。
きっと、目が覚めるまでずっと心配してくれてたんでしょう。

意地悪だけど優しくて、強がりだけどとても心配性で。
本当に子供のようなご主人様です。
でも、そんなご主人さまが、あたしは大好きだったりします。
「大丈夫だから、ね?大丈夫ですから。」
あたしは、ご主人様が離れるまでの間
まだ髪の濡れている頭をそっとなでなでし続けていました。

何となく、あたしにとって今日一番の『ごほうび』は
今、この時のような気がしました。


『ご主人様のごほうび』(完)

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 う〜ん、スウィートラブラブ。いいねぇ(^^)
クリスマスぶりのセイドメイド小説は、読みきりのショートHでした。

男だったら潜望鏡。女だったらマン望鏡ですが
Hし始め2週間の初々しさの残る彼女には、とっても恥ずかしい単語ですわな。
思えばユカの一人称は初めてですねぇ。勝手が違うのでちょい戸惑いました。
丸1日。約10時間で書いてしまいましたが、いかがだったでしょうか?

不具合があればまた後で書き直すつもりです。ではでは(^^)/

BYオゾン

書き初め 日曜日午後 1時
書き終り同日曜日午後11時

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