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其の拾:Therma-F.I.T. RIPSTOP MTB JACKET

今回は、リアルタイムで初期acgを探していたファンが、当時こぞって探していたacgウェアを紹介いたします。ちょうどリバデルチ2やマーダが売られていた頃のウェアです。前面がリップストップナイロン素材でカバーされた、 サーマF.I.T.フリースジャケットです。

シルエットを見てもわかるとおり、MTBでの使用を想定されています。このウェアを私も含めた当時のacgファンが探し回っていた理由に、まず当時のウェアの中でも飛びぬけてかっこいいこのデザインと、つくりを見れば見るほど凝っている手の込みようが挙げられます。そして、当時ほとんど日本に入ってこなかったのです。

左の裾付近に小さいポケットがあります。この位置に付けるところがまた独特ですね。私は、味気無い作りのゴアテックスのマウンテンパーカより、ディテール満載のヴィンテージのフライトジャケットの方が、服っぽくて好きですが、この acgジャケットはそういう服っぽい魅力を持ち合わせたアウトドアウェアだといえます。

これは前のジッパーを開いた画像です。基本的にはフリースジャケットですが、MTBでの使用を考慮し、前面にだけリップストップナイロンで生地をカバーし、防風性を高めております。

そして、画像のように、裏地は背中側Therma-F.I.T.フリースですが、前身頃は片面 (体に接しない、ナイロン側に向いた面)だけが起毛されたメッシュが当てられています。このメッシュは、 リップストップナイロン生地との間に空気の層を作り 保温性を高めていますが、内側は滑りが良いように、起毛されていません。

このメッシュ生地は、リップストップナイロン部分の内側すべてに張られている状態です。つまり、胴部分だけでなく、腕も前半分がリップストップナイロン+メッシュで、 後ろ側がTherma-F.I.T.フリース生地です。手の込んだ作りですね。

 

右の画像のように、脇の下はメッシュになっています。肩は、後ろまでリップストップナイロンが覆っているので、リュック等を背負っても丈夫です。また、MTBジャージ の基本的ディテールですが、背中にはポケットが付いてます。腰の両脇にジッパーで開くようになっています。

とにかく、すごく凝った作りですよね。patagoniaみたいなアウトドアブランドでも、ここまで凝ったウェアはなかなか出来ないんじゃないでしょうか。今でも、このウェアはアウトドア系セレクトショップのスタッフから「譲ってくれ」と言われたりすることが多いです。着ているだけで、「よく見つけたねー」って話が盛り上がったりします。

 

 

今ではメディアが発達して、初期acgの認知も広まりましたが、 このようなウェアの存在を知ることは、リアルタイムでないと難しいと思います。モノにはいろいろな楽しみ方がありますが、やはりリアルタイムが一番なのかな、と。百聞は一見にしかず、人の受け売りでは すべてを知ることが出来ない、ということです。

だから、今って大切なんですね。コラム等でも何回も述べてますが、自分の目で今を探るっていうのが大事なんですね。 そうすれば自分だけのこだわりや、好みのようなものが見つかると思います。