桃岩知床遊歩道


桃岩展望台〜キンバイの谷〜元地灯台〜ベンサシの花園〜知床

 桃岩から元地灯台を経由して礼文島南端の知床に至る遊歩道は多くの花と海を隔てた利尻島を望むことができます。もっともこの島では、ほとんどの場所から利尻島を見ることができますので、利尻島が見えること自体は大したことではありません。でもこの場所は花と海と利尻島を一度に見ることができる貴重な場所です。

 桃岩展望台からは写真のような景色が望めます。海の青さが印象に残ります。中央の小さな岩は猫の後ろ姿に似ていることから猫岩と呼ばれています。 しかし海霧がでることもあり、ひどいときは目の前の桃岩さえ見えません。
 展望台から右手の土の道を進みます。展望台までは観光バスの客もやってきますが、遊歩道を歩きだすと人影はまばらになります。この道は粘土質で雨の日やその後は滑りやすいので注意してください。風を遮るものが何も無い道なので、天気が悪いときは他の場所に行った方が良いかもしれません。
 遊歩道を歩きでせば、すぐに多くの花が迎えてくれます。ミヤマキンポウゲ、チシマフウロ、ミヤマオダマキ、レブンソウなどです。詳しくは桃岩・元地灯台付近で見られた花をご覧ください。歩きだしてすぐの断崖のあたりではレブンユスユキソウも生えています。また天気が良ければ利尻島も望めます。礼文島のページのはじめの写真はこのあたりから撮影したものです。初めからハイライトという感じでしょうか。


 そのうちキンバイの谷と呼ばれる場所に着きます。名前のように最盛期には谷一面をレブンキンバイ(左写真)が覆います。この付近には背の高い草に隠れるようにクロユリが咲いていました。その後も断崖の端や、ちょっとした草原の中を歩いていきます。海側の斜面には背の低い植物が、反対側や草原には比較的背の高い植物が生えているのがわかると思います。これは冬に海岸から吹き付ける強い風の影響です。海側の斜面は強風のため冬でも雪が着きません。雪の下の地面の温度は−1度付近にしか下がりませんが雪の無い斜面は土も根も凍ってしまいます。そのような厳しい環境を生き抜く力を持つこの島の植物が海側の斜面に生えているのです。

 つばめ山と呼ばれるピークを超えると元地灯台に着きます。元地灯台は海に突き出した断崖絶壁の上に立っています。そしてその斜面には黄色い花が一面に咲いています。キンバイだと思います。灯台手前の柵のところから灯台と花の咲く斜面が望めます。強い風が吹いていましたが、いつまでも見ていたい景色でした。灯台の入り口付近にはカラフトハナシノブの紫の花が咲いていたと思います。


 元地灯台を過ぎると道は下りになり、道幅は広くなり歩きやすくなります。ます。しばらく下るとベンサシの花園があります。エゾカンゾウの頃なら遠くからでも黄色の絨毯が見え、一目で場所がわかります。遊歩道から海岸方向にロープで囲われた道を入っていきます。以前は踏み跡をたどって歩きましたが、今ではしっかりと道ができています。しかし雨の後などはぬかるんでます。トレッキングシューズなどのしっかりした足ごしらえをして出かけてください。革靴で来て平気で草の上を歩いていた人がいましたが、このような行為は恥じです。そのために次に来たときには立ち入り禁止になっているかもしれません。ここはエゾカンゾウやレブンウスユキソウの群落があり、花越し利尻島を見渡せます。他にも彩り豊かな花が咲きます。
 後は知床に向かって下っていきます。地元の小学生の書いた案内標識や自然保護の看板を見ているうちに知床のバス停に着くことでしょう。


 歩き方としては、朝8時過ぎの路線バスで知床へ行きそこから桃岩展望台へ歩く方法と、逆に桃岩展望台入り口までバスで行きそこから歩く方法があります。どちらにしても帰りのバスは期待できないないので、桃岩展望台(または知床)から香深までは歩くことになります。歩く距離は知床〜香深の方が長くなりますが、利尻島を望みながら歩くなら桃岩展望台から歩くことになります。ということで天気が良ければ桃岩展望台から、悪いときは知床から歩くことをお勧めします。バスに乗らないのであれば、香深〜桃岩展望台はバス道路ではなく川沿いの未舗装路を歩くことをお勧めします。ここにもいろいろ花が見られます。
 その日も礼文島に宿泊するか、最終のフェリーで島抜け(島から帰ることをこう呼んでいます)するなら、礼文林道のレブンウスユキソウ群落地と合わせて一日で両方を回ることも可能です。
 トイレは桃岩展望台と知床のバス停付近以外にはありません。
バスの時刻は必ず事前に確認してください。本数が少ないので乗り損ねると大変です。



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