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『心の世界、夜の世界』

byオゾン

「言えないエピローグ」

 「やれやれ、恐い目に会ったからとはいえ、すっかり甘えんぼになっちまったな。」
すっかり安心しきって、俺の腕の中ですうすうと寝息をたてているヤスミを見ながら
俺は一人でそうぼやいていた。

恐い目か・・・・それを体験させたのは、俺のせいでもあるんだよな。
そう考えながら窓の外の景色をぼんやりと見つめる。

田舎風の夜の景色、所々にある森や林、そしてその奥から聞こえてくる
口惜しそうな悲しそうな「惨夢」の遠吠え。

『あいつも俺の心の一部だって事、こいつには絶対に教えられないな』
ヤスミを腕に抱きながら、俺は彼女に聞こえないよう心の中でそうつぶやいた。

俺の中のこの闇は、多分一生終わらない。

『心の世界、夜の世界』 本当の「完」

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