前の章へ 本を閉じる 次の章へ 


『契約の夜』セイドメイドシリーズ

byオゾン

第4章 「理性の放棄」

 健一郎はベッドの真ん中にあぐらをかいて座った。
そこに、抱っこされたがっている彼女を向かい合わせに座らせ
じゃまな両足を腰の後ろに回させる。
 体を抱き寄せ肉体を密着させると、汗ばんだパジャマから立ち昇る甘酸っぱい性臭と
洗ったばかりの髪から漂うシャンプーの香りが混ざり合い
健一郎の鼻をくすぐった。風呂場で感じた脳がじんじんする感覚がまた始まる。

 だが今の自分はさっきと違い、まだ自制ができる。
股間のものは痛いほどに膨れ上がってはいるが、今の意識は自分の肉欲の
解消にではなく、彼女の肉体の開発へと向いている。
『まだ耐えられそうだな』冷静な部分の意識で彼はそう考えていた。

 自制できるとは思いつつも、健一郎は知らずしらずのうちに
彼女を抱きしめる腕に力が入ってしまっていた。
 ユカは息苦しさを感じたが、それよりも強く抱かれたゆえの安心感の方が強く
うっとりとされるがままになっていた。

 しばらくそうして見つめ合っていた後、どちらからともなく唇を合わせる。
今度は浴場の時とは違う、深く濃厚なキス。
健一郎が舌を差し入れると彼女は困ったように少し眉をひそめるが
すぐにそれが意外に心地よい刺激だという事に気づいた。
『なんか・・・すごく、いい・・・・・・』
 そのうち彼女も舌を使い始め、互いの舌を絡ませ合う淫らな遊戯がはじまる。
相手に唾液を与え、受け取り、舌先でつつきあい、奥歯に届きそうなくらいにまで
深く舌を差し込む。ねっとりとする蜜が、脳に直接浸透していくような
どんよりとした快楽が、ユカの思考力を剥ぎ取っていった。

 ふと思い付いた健一郎がベッド脇に置いたシャンパンに手を伸ばし
自分の口に含んだ。そしてそれをユカの唇の合間へと静かに注ぎ込む。
「んく・・・ん・・・・」
 彼女はそれを抵抗無く受け取り、こばさないよう愛おしそうにこくんこくんと喉を鳴らす。
少しこぼれた液体がメイドの口から喉へとひとすじのラインを作った。

 唇を放し、また二人が見つめ合う。すっと健一郎は手を伸ばすと、パジャマの上からでも
明確に位置がわかるほど膨らみ、汗でうっすらとピンクに透ける胸の突起をきゅっと摘まんだ。
「!・・・・」
 ズキンとする快楽が電気のように体を走る。
ユカは一瞬息を呑み、喘ぎ声を発する事もできなかった。
「いじっていいかい?」
すでに固くなった先端を右手でコリコリと刺激しながらも、彼は意地悪な質問をする。
「・・・いや」
 逃げ出しも、振り払いもせず、ただ瞳を閉じうっとりとした表情のままでの拒否。
それは、どう見たところで嫌がっているようにはとても見えない。

 突然、乳首をいじっていた彼の手が獣のように変貌し
桜色に染まるその小塔を強引にぎゅっとつねった。
「あっ!痛っ、痛い!」
「いいかげんにしろ!黙っているならまだしも、俺に向かって嘘をつく気なのか?」
「あうぅ、ご、ごめんなさい!は、早く離してぇ!」
「『申し訳ありません』と言うようにしつけたはずだぞ」
主人はギリギリと指の先に力を込めて引っ張り上げ、甘えん坊なメイドに厳しい罰を与える。
ユカは今ここにいる相手が恋人などではなく、自分の主なのだと言う事を改めて思い出した。

 乳首をきつくつねられ、半泣きになって何度も謝り、哀願するユカ。
健一郎は彼女へ罰を与えながら、彼女に自分の本心をさらすよう問い詰める。
「・・・じゃあ、どうして何も抵抗しなかったんだ?言ってみるんだ。」
「は、はい・・気持ち良かったから・・・続けて、欲しかったから・・・です」
胸の先端の痛みに眉を歪めて耐えながら、ユカは何とかそれに答える。
「それなら、いじって下さいと言うんだ。ちゃんと心を込めてな」
「んん、わかりました・・・・い、いじって。いじって下さい。」

 彼女の本心を聞き出した健一郎は、ようやく罰を与え続けていた指を離した。
つねられていた部分に血液が戻り始め、まるでそこにも心臓があるかのように
鼓動にあわせてじんじんと痺れが走っていくのを彼女は感じた。
「君も聞いたはずだぞ。『協力的なら苦痛は少ない』ってな」
「はい・・・申し訳、ありませんでした」
「ほぉ、ようやくお利口さんになってきたようだな。それじゃ、ご褒美だ」
メイドへの罰を終えた主人は、今度は彼女へご褒美を与える。
飴と鞭の二つを使い分け、器用に彼女の心を攻め落とす。

 彼は腰を抱いたまま、体を彼女の方にやや傾けた。
「?」
ユカは疑問に思いつつも彼の首筋を抱え、後ろに倒れないよう肉体を支えた。
不安定な姿勢でやや不安がよぎるが、そんなユカにかまわず健一郎はさらに体を倒す。
彼の目の前に現れる先ほどまでつねっていた桃色の小塔。
「あの、何を?・・・」
 彼女が質問しようとしたその時
健一郎はその尖った部分をパジャマの布地の上から優しく口に含んだ。
そのまま熱い吐息を吹きかけ、先端を刺激する。
「あっ!」
 熱した蜜を垂らされたような快感に、彼女は背筋をのけ反らせて硬直した。
そして間を置かずに始まる舌と唇の快楽責め。
乳房を吸われる母性的な本能と、痺れたところを触られる時のじんじんとした刺激。
今のユカの心の中は、この二つでいっぱいに満たされていた。

 彼はそのまま反対の肉の突起にも手を伸ばし、親指の腹で何度も擦り上げた。
乳首を布地で擦られる感覚が更に彼女を狂わせる。
「あっ・・・・い、いい。なんか、すごく・・・・あっ、いいっ!」
身悶えながらも、健一郎の首にしっかりつかまっているユカ。
 こりこりと固くなっている乳首から口を離すと、唾液で透けてぬらりと光っている様が
健一郎にはっきりと見えた。彼女の両腰に手をやり、ゆっくりとパジャマをめくり上げていく。
恥じらってはいたが、抵抗する様子はまったく無い。

 淡いピンクの布地がめくれ、ようやくその姿をあらわした小ぶりな両の乳房。
「可愛いおっぱいだな。だいぶ乳首が立ってるぞ」
「あ・・・あんまり、見ないで・・・お願い」
「ふふ、じゃ、口で隠してやろう」
彼は今度はいじっていた方の乳首を直に口に含み、カリカリと歯を使って愛噛する。
新しい刺激を与えつつ、よく快楽に馴染んでいる脇腹を右手でさする。
「ここ、好きなんだろ?おっぱいとこっち、どっちがいい?」
「あふ、恥ずかしぃ・・・あの、あ、あの・・・胸の方が・・・いいです」
「お利口さんだな、じゃ、こっちはどうだ?」
 素直に白状した彼女に感心し、今度は尻の合わせ目の付近へと左手を伸ばし、揉む。
「あっ、だっだめぇ!そこは!」
双丘の谷間を後ろの穴のあたりまでゆっくり下っていくと
健一郎はそこがさっきよりもずっと湿り気が増えている事に気がついた。

「なんだ、もうこんなとこまでぐっしょりじゃないか?」
「はぅ、ん・・・お願い、そこはあんまり・・・・触らないで」
「どうして?言ってみるんだ。言わないなら俺がもっと奥まで調べてやるぞ」
「ああん、やだぁ・・・・その、変なんです。なんか、体の奥から・・・」
「奥から?」
聞き返しながら更に指を奥に進め、じっとりするヌメりを指にすりつける。
「ぁん!お、奥から、変な感じがして、腰から下が、あたしじゃなくなった感じで・・・」
「なるほど。じゃあ、乳首いじられてもじっとしてたり、撫でられるより噛まれる方が
 好きだったりするのは君自身なんだ?」
「あ、いえその・・・首から下があたしじゃなくて・・・」
「舌を絡ませてきたのは、君自身かい?」
「・・・・・・・・・・」

 ユカは淫れる自分に対し、何とか言い訳をしようとしたが
容赦無い健一郎の追求に何も言い返せなくなってしまった。
もう言い逃れは無駄だという事を彼女は悟る。
「あ、その・・・申し訳ありません・・・・」
「そう、わかったね?みんな君自身なんだよ。恥ずかしくて嫌がるのも、いやらしい事を
 されて喜ぶのもね。さあ、それじゃまた嘘をついた罰だ」

 蜜の潤滑剤でよく濡らした左の中指を、谷間の奥にひくつく後ろの小菊にあてがい
円を描きながら次第に力を込める。べっとりと濡れたパジャマ越しに周囲のひだを
刺激しながらも指は静かに、そして確実に彼女の小菊の中に埋まっていった。
「あ!い、いやぁ!だめ!そこは勘弁してぇ!」
 布の抵抗があるため、一関節さえも埋まらなかったが
それでも彼女にとって後ろ攻めは、かなり辛い。
指から逃れようと必死に下半身を前に出すが、それは
彼の肉棒に下腹部と恥ずかしい部分を当てこする結果にしかならなかった。
 彼女も自分の前に何があたっているか判ってはいたが、それでも
排泄器官から侵入する不快な刺激のせいで無駄な行為をやめる事はできない。
 健一郎の方も、指を排除しようと何度もきゅっきゅっと締め付ける肛門の感触と
柔らかい果肉が繰り出す肉棒への摩擦に、そろそろ理性の限界に近づいてきていた。

「ああっ、あああっ!・・・うううっ!」
『おっと、また泣かれたら困るな・・・』
 急いで指を抜き、彼女に休憩を与える。ようやく下半身の罰から開放され、肩で息をするユカ。
しばらく間を置き、彼女が落ち着くのを確かめた後
健一郎は、中指を後ろの穴から更に亀裂の奥深くへ進めていった。
「あ・・・ひっ!・・・だっだめぇ!」
「お尻の穴よりは、ましだろ?」
 ふたなりの肉の合わせ目は既に熱く濡れ、布越しにそのぬめりが沁み出してきている。
まん中と後ろの穴の中間、会陰の部分に指先を押し付けると、中からじわりと愛液が溢れ出し
彼女は快楽か苦痛か判別できない悲鳴を上げた。
「あっ、ひっ!あああっ!」
健一郎は、そのままそこを何度もぬちぬちと音を立ててこすり、ユカをねっとりと刺激する。
「ここをいじるとな、とってもエッチな体になるんだ」
「ぅうん!そんなぁ・・・」
「エッチにしてやるよ。とってもいやらしい娘に改造してやる・・・」
「あぁ!・・・あたし・・あっ!もぉ・・・」

 次々と絶え間無く送り込まれてくる甘い刺激に、ユカの理性は崩壊寸前になっていた。
いやらしい娘にされてしまうのは嫌だったが、この快感が続くならそれもいいかも
しれない、と心のどこかで思い始めていた。
そして、その気持ちは理性に否定されながらも次第に大きくなっていく。
「ぅん!・・・あ・・はぁっ!・・・・あっ!あっ!・・・そこ・・いやぁ・・・あぁん!」
 大事な部分をいじる指を手で払い除けてしまいたかったが、もっと感じたがっている自分の
下半身がそれをさせてくれない。それどころか両腕は、更に愛撫を求めるように彼に抱きつく。
手を離したらすぐに倒れてしまいそうなほど体を反り返らせ、ユカは自分の乳房に
舌の攻撃を続けている彼の首にしがみついていた。
もう快楽以外の全ての事がどうでもよくなってしまいそうだった。

「どうして、そんなに腰を動かすんだい?」
 指と舌の性技に身をゆだねていたメイドは、主人の言葉で少しだけ我に返る。
健一郎に言われ、ユカはようやく自分が腰をうごめかせている事を知った。
「わ、わかんないの・・・ひとりでに・・・あっ・・・う、動いちゃって。止まんないの・・・」
何も言わずにまた罰を受けるのは避けたかったので、何とかその質問に答える。
だが、答える間もその動きは止められず、恥じらいながらいやらしくその身をくねらせていた。

「教えてやろうか?あそこがこすれるから気持ちいいんだろ?」
ユカは、自分がはしたなくも健一郎の肉棒に、前の割れ目をこすりつけているのに気づく。
「やぁ!・・・そんな・・・あっ!・・恥ずかしぃ・・・」
「おいおい、俺のトランクスまでべとべとに汚しといてそれはないだろ。
 それにそんなに恥ずかしいんだったら、早くやめたらどうなんだ?」
ユカも、それはわかってはいるのだが、もういやらしい腰の動きを抑える事はできない。
会陰をいじられ、乳首を吸われ、ただただ主人のされるがままになるしかなかった。
「あっ!と・・・止まんないの。はあぁん!恥ずかしいよぉ・・・」
「言ったとうりだろ?『ここをいじるとエッチな体になる』って」
「ああ・・・あふぅ・・・・もう、どうにでもして・・・」
 全てを諦めたなげやりな言葉。だが、彼女の欲望にとってそれは
全てをゆだね、快楽を求める言葉でもあった。
自らの理性を放棄したユカの腰の動きがさっきより一段と激しくなる。

「いいんだな?」
「はぅん!あっ、はい・・・・好きに、して下さい・・・もぉ、あたし・・・んぅ!」
 彼の肉棒を求めるようにユカは割れ目を擦り付けてくる。
べっとりと股間の布地を濡らし、狭間の奥の小さく尖った肉芽に刺激を欲しがり
ダブルベッドのスプリングがきしむ程に腰をよがらせてうごめく。
 健一郎も今すぐじゃまな布きれを剥ぎ取り、擦り付けてくる部分に自分のものを
ぶちこんでやりたい衝動にかられた。が、彼にはまだ最後に一つだけやりたい事がある。
自分のものとなるメイドに絶頂の快楽、イく時の幸せを教えておきたいのだ。
彼女との『契約』はその後でも遅くない。彼はわずかな意志でたぎる欲望をなんとか押え込んだ。

 ぶつかり、こすれあう二人の下腹の間にそっと右手を差し入れ、彼は囁く。
「じゃ、ご褒美だ。いいところにつれてってあげよう」
そのまま指を下に滑らせ、愛しい前の果肉を布地の上からそっと撫でる。
「はぁあん!あ!そ、そこ・・・あ、あぁ!・・・」
 狭い隙間をほじって進み、布越しでもその位置がわかるほどに膨れていた固い
ものを見つけ、熱く震える快楽神経の塊をこりこりといじってやると
ユカは恥じらいと強烈な快楽によっていやらしい声をますます大きくした。
「はあぁん!あっ、あっ、あっ!ああっ!」
 感極まった彼女はとうとう健一郎に抱きついていた腕がはずれ
そのままベッドにとさりと倒れ込んでしまった。
 二人が離れると、体を合わせじっとり汗ばんでいたところから発する甘く濃厚な
性臭があたりに漂い、互いの快楽中枢を更に刺激した。

 とろんとした目で虚ろに主人を見つめるメイド。彼女はこわごわと自分の主に尋ねる。
「ん・・・あの、つれてくって?・・・・」
「確か、本で知っているんだったな?『オルガスムス』わかるだろ?」
「あ・・・や、優しくお願い・・・します」
ユカは両の手のひらで、恥じらいに染まる顔を覆い隠し、その身の全てを彼にゆだねた。
「『協力的』だったらな」
健一郎はぽつりと言葉を返し、指による絶頂への導きをはじめた。

 めくり上げられ、胸の上でまとまっている上半身のパジャマを脱がせた後
健一郎は彼女に覆い被さるように横たわる。そのまま左腕を腰の下に回し、右手全体で
可愛らしいおへそを撫で、そこのへこみをしばらくの間楽しんでいた。
そして、静かにその手を下腹部に進めると、下半身のパジャマの中に滑り込ませていく。
 理性でなく、恥じらいと恐怖により閉じられた腿の間に右手を添えると
軽くゆっくりとくすぐるように彼は指を上下に動かし始めた。

「んふ・・・・ん・・・」
ぬめる谷間を撫でる中指が、巨大な振り子のように一定のゆったりしたリズムで往復する。
彼女は顔を隠して脚をきつく閉じたまま、そのどんよりした快感を受けていた。
やがてしだいに刺激によって脚が自然と曲がり、ユカはだんだん膝を立てる格好になる。
「ほら、手をどかせよ。キスできないじゃないか」
 おずおずを両手をずらし、快楽で上気する顔を見せるユカ。
手はそのまま胸の脇に縮こませ、その身の恐怖を表していた。
健一郎はそっと彼女に口付けをした後、唇をこじ開け舌を挿入させる。
その間にもゆるゆると指の甘い往復運動は続けられていた。

 人間は一定に続く弱い刺激に対し飽きやすく、そして慣れやすい。
それは、快楽についても当てはまる事である。
 ユカもだんだんと指の動きに慣れ始め
きつく閉じられていた両の膝小僧をしだいに開かせてくる。
『なんか・・・・もっと欲しい』
自分で腰を擦り付けていた時と比べ、今の指の動きはあまりにも物足りない。
下半身がもっと刺激を欲しがり、だんだんとわがままになってくる。

『焦らしの効果は出ているようだな・・・』
健一郎は唇を合わせたまま彼女をじっくり観察し、往復のリズムと押さえつける力を
ユカに判らないくらいのゆっくりした変化でだんだんと強めていった。

 ぬちゅっ・・・ぬちゅっ。という途切れとぎれの音が、ちゅっぷちゅっぷ、と
切れ間のない音になり、ぬちゅぬちゅぬちゅと響く小気味よい連続音に変わる頃。
彼女の両脚は完全に開ききってしまい、すっかり指を受け入れる格好になっていた。
「ん・・・んふぅ・・・・んふ・・・・・・ぷはっ」
 ようやくユカの唇を開放した健一郎は、今度は言葉も加え彼女を責めはじめる。
「へぇ、あそこをいじるとこんなHな顔になるんだ」
「や、やぁ・・・見ないでぇ」
「ここを・・・こうするとどうなるかな?」
「はぅっ!ん!あっ、あっ!ああぁん!」
「ふふ、ものすごくいやらしい表情だな。指だけでこんなに乱れるのはお前だけだぞ」
「あっ!やふ、そんなぁ・・・あっ!あっ!ひっ!」
 ユカのぐしょぐしょに濡れた果肉を指でしぼり、割れ目全体に中指を埋没させたり
すっかり膨らんだクリトリスを小刻みにふるふる震わせたりして存分にいたぶる健一郎。
「そっ、そこっ!あっ、あぅぅ・・・んぅ!す、すごぃ・・・こんなの・・・」
 自分でする時の、自転車で坂を下るようなブレーキを制御できる快楽でなく
オートバイの後ろに乗って振り回されているような、少し恐怖をもった制御できない刺激。
両手の指は自然にシーツをぎゅっとつかみ、足の指を内側に曲げてベッドにめり込ませる
脚全体も折り曲げたまま開ききり、ちょうどMの字のような形になっていた。
 もう、理性も恥じらいもすっかり無くし、本能と性欲の塊になって指を求め
くねくねと腰をうごめかして彼女は下半身を突き出していた。

「あっ!・・・ああっ!やっ!何っ?・・・ちょっ!・・と、止めてぇ!」
 ユカの急な変化に健一郎は彼女の絶頂が近いのを察知する。
「イきそうなんだろ?いいぞ、イってもいいんだぞ。イかせてやるよ」
「はぁあ!だっだめぇ!で、でちゃう!」
 少しずつ快楽を注ぎ込まれ、すでに満々と満たされているダムに突然ヒビが入り
中の快楽が一気に溢れ出してきそうな感覚に彼女は戸惑う。
今、少しでも気を緩めればダムが崩壊し、自分の割れ目から何かが溢れてしまいそうだった。
 更に快楽を注ぎ続ける彼の指から何とかして逃れたかったが、シーツを握る指も
開ききった脚も、ほんのちょっとでも動かせばすぐにも限界を越えそうで
もうどうする事もできない。

「ああっ!あっ!あたしもぉ!」
「いいぞ、思いっきりイくんだ。自分でイくって言うんだ」
「あ!い、いくぅ!いきそぉ!」
健一郎は一番感じる快楽神経の塊に攻撃を集中させ、包皮をむき
すっかり露出した状態のそれを、指で摘まんでぐりぐりといたぶった。

「あーーーー!あぁーっ!イっちゃうーーー!」
 ダムの崩壊。果肉の狭間から粘つく熱い蜜がどっと溢れ、彼の指にしぶきをかける。
ユカはぶるぶると肉体を震わせ、意識がどこか遠くへいくような初めての快楽に満たされる。
「あーーーーーっ!ああぁーーーっ!」
健一郎は彼女の硬直する四肢から完全に力が抜けてしまうまで
ひくつく肉芽をずっとくすぐり続けていた。

 前の章へ 本を閉じる 次の章へ